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第21話: 与えし剣の影

ガードと青年が対峙する中、イリスはじっと戦況を見つめていた。彼女は何かを考え、素早く錬金術の道具を取り出した。それは、特別な効果を持つ薬草を使って調合された「記憶を一時的に抜き取る」秘薬だった。


「ガード、少しだけ時間を稼いで!」イリスはそう叫び、素早く動き始めた。


青年の優勢


青年の剣術は圧倒的で、ガードはその攻撃に押されながらも防御を続けていた。青年の動きは鋭く、彼の意志が剣に乗り移ったかのように、ガードの盾に次々と打ち込まれていく。


「君の盾は強い。しかし、その力だけでは僕には勝てない」青年は余裕の笑みを浮かべながら言った。


ガードは歯を食いしばりながらも、隙を作らないよう慎重に動いた。だが、彼の心の中では焦りが募っていた。


イリスの秘策


その間にイリスは薬草を手早く調合し、青年の背後に近づいた。彼女は手に持っていた錬金術の道具を静かに構え、一瞬の隙を狙った。


「今よ!」イリスはそう叫びながら、青年に向けて調合した薬液を放つ。


薬液が青年に触れると、彼の体が一瞬硬直し、その動きが止まった。青年の目が一瞬虚ろになり、剣を握る力も緩んだ。


「何を…した…?」青年は自分の異変に気づき、必死に抵抗しようとするが、次第に意識が遠のいていく。


一時的な記憶の消失


「うまくいったわ!」イリスは息を整えながらガードに向かって頷いた。「この薬は一時的に記憶を抜き取るもの。今のうちに聞き出せるだけの情報を引き出して!」


ガードはその言葉を聞き、青年の前に立つと、冷静に問いかけた。「お前の狙いは剣だけじゃないだろう。誰と手を組んでいる?」


意識が曖昧になった青年は、無防備な状態で口を開いた。「剣と盾…それらを手に入れれば、すべてが…俺たちのものになる…」


「俺たち?」ガードはその言葉に疑念を抱き、さらに追及した。「お前には仲間がいるのか?」


青年は微かに頷き、ぼんやりとした目でガードを見つめた。「仲間…いや、主だ。俺はただの駒に過ぎない…。すべては、主のために…」


その言葉に、ガードとイリスは驚愕した。「主?一体、誰が…?」


真実の断片


だが、その瞬間、青年の体が再び硬直し、瞳に意識が戻った。記憶が戻り始め、彼はすぐに状況を理解し、激しい怒りを込めてガードを睨みつけた。


「卑怯な手を使ったな!」青年は剣を再び構え、ガードとイリスに向かって突進してきた。


「ガード、気をつけて!もう一度この手は使えないわ!」イリスが叫びながら警戒を呼びかけた。


ガードは盾を構え直し、青年の猛攻を受け止めながらも、今聞いた「主」という言葉が頭から離れなかった。彼らが戦っている敵の背後には、もっと大きな陰謀が隠されていることを確信したのだ。


次なる戦いへの覚悟


「お前の『主』が誰だろうと、俺たちは絶対に屈しない!」ガードは叫び、再び青年に向かって攻撃を仕掛けた。


青年の冷酷な笑みが消え、戦いはますます激しさを増していった。ガードとイリスは共に戦いながら、盾と剣、そしてその背後にある陰謀の真実に迫っていく。



---


次回予告


青年の背後に潜む「主」の存在が浮かび上がる中、ガードとイリスはさらに深い陰謀へと引き込まれていく。神具『与えし剣』の力、そしてそれを巡る戦いの行方は?


次回、第22話「主の影、迫る脅威」



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