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第18話: 命の代償と賢者の真実

試練を乗り越えたガードとイリスは、ついに賢者が住むという神秘的な塔の前にたどり着いた。その塔は、まるで空に溶け込むように高くそびえ立ち、古代の力を宿しているかのような気配を漂わせていた。


「ここが…賢者がいる場所ね」イリスがつぶやく。


「この塔で、僕たちが知りたいことがすべて分かるかもしれない」ガードは拳を握りしめた。盾の力、イリスの病、そして彼自身がこの旅で直面する運命のすべてが、この塔に隠されているような気がしていた。


賢者との出会い


二人は塔の内部に足を踏み入れた。そこは、時間の流れが異なるかのような静けさに包まれていた。しばらく進むと、彼らの前に一人の老人が現れた。彼こそが、噂に聞く賢者だった。


「よく来たな、若者よ。そして、病に苦しむ娘よ」賢者は穏やかに二人を迎えたが、その鋭い目はすべてを見通しているかのようだった。


「賢者様、僕たちは…この盾とイリスの病について知りたいんです」ガードは深々と頭を下げた。


「そうか。お前たちは多くの試練を乗り越え、この塔にたどり着いた。だが、真実を知ることには、それ相応の代償が伴う」


その言葉に、ガードとイリスは緊張を覚えた。


盾のさらなる秘密


賢者は杖をかざし、塔の一室へと二人を導いた。部屋の中央には古代の書物や巻物が並び、その一つを賢者が手に取ると、静かに語り始めた。


「その盾は、ただ命を刈り取るだけの力ではない。かつて神々が創り出した禁忌の力だ。盾は、持つ者の心の強さと共に進化する。しかし、命を奪い続ければ、その者の心もまた蝕まれていく」


「蝕まれる…?」ガードは驚いて言葉を失った。


「そうだ。お前がその盾を使い続ける限り、お前自身の命も危険にさらされる。命を奪うことは、他者だけでなく、自分自身の命を削っているのだ」


ガードはその言葉に愕然とした。これまでの戦いで盾を使いすぎたことが、自分の命にも影響しているのだと気づかされた。


イリスの病の真実


続いて、賢者はイリスに視線を向けた。


「そして、娘よ。お前の病は単なる病ではない。それは、命の循環が乱れたことで起こったものだ。お前は、生まれながらにして命を繋ぐ役割を持っている。しかし、それが逆に作用し、命を奪われ続けているのだ」


イリスは目を見開いた。自分の体がどんどん弱っていく理由が、ようやく明らかになった。


「じゃあ、治す方法は…?」ガードが焦りの声を上げた。


賢者は静かに頷いた。「ある。ただし、その代償はお前たちにとって非常に重いものになるだろう。」


命の代償


賢者は二人に向き合い、厳かに言った。


「イリスの病を治すためには、命の源を取り戻す必要がある。それは、失われた命を取り戻すことでもあるが、何かを失わねばならぬ。その盾の力を使えば、彼女の命を救うこともできるが、お前が自らの命を差し出すことになる」


ガードはその言葉を聞き、驚愕した。彼が盾を使ってイリスを救うためには、自分の命を犠牲にしなければならないのだ。


「そんな…僕の命を…」


「選択はお前に委ねる。どちらを選ぶにせよ、結果は変わらぬ。ただし、その選択はすぐに迫ってくるだろう」


ガードは思わず盾に目をやった。命を刈り取る力が、今度は誰かの命を救うために使われるかもしれない。しかし、その代償は彼自身の命だった。


次回予告


次回、第19話「選ばれし道」賢者から告げられた重い真実に揺れるガード。イリスの命を救うために、彼はどの道を選ぶのか?命の力を巡る最終決断が迫る。選択の行方は、すべての運命を変える。



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