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第14話: さらなる試練とイリスの希望

朝の冷たい空気が辺りを包む中、ガードとイリスは再び旅路へと歩を進めた。イリスの病が明らかになった今、ガードの心には焦りがあったが、彼は自分の無力さに打ちひしがれることなく、盾の力を解放する方法を探し続ける決意を固めていた。


「イリス、次に向かう場所はどこだ?君の病に効く手がかりがある場所を教えてくれないか?」


ガードは歩きながら問いかけた。イリスの目には疲れが見えたが、その瞳の奥にはまだ希望が残っているようだった。


「西へ向かうのが最善だと思うわ。村長の予言もあったけど、それ以上に古い文献に、神具を使う者が集う場所が西の方角にあるって書かれていたの。そこには、命を操る術を知る賢者がいるという伝説が残されているわ。」


「賢者か…その人なら、君を救う方法を知っているかもしれないな」


ガードは希望を感じた。もしその賢者が盾の力や命を操る術に詳しいなら、イリスを救えるかもしれない。


「ただ…」イリスは少し口ごもる。「その賢者は誰もがたどり着けるわけではないみたい。試練を乗り越えた者だけが、その場所に辿り着けるとされているの」


「試練か。今までも多くの試練を越えてきたけど、どんなものが待っているかは分からないな」


ガードは少し緊張しながらも、決して諦めない強い意志を感じていた。盾を持つ者としての責任を感じ、イリスの命を救うために全力を尽くす覚悟が固まっていた。


その夜


西への旅が始まってから数日が過ぎた。イリスの体調は一進一退だったが、病の進行は確実に彼女の体を蝕んでいた。休息を取るたびに、彼女の呼吸は浅くなり、ガードはその様子を見て胸を締め付けられるような思いを抱いていた。


「ガード、もし…もし私がこのまま倒れてしまったら、盾の力を使って私を助けてくれる?」


イリスがふいに尋ねた。彼女の声は震えており、病が彼女の心にも影響を与えていることが感じられた。


「君を絶対に助ける。それがたとえ盾の力であっても、僕は君の命を奪わない。君を救うために使うよ」


ガードは強く答えた。盾の力は刈り取る力を持っているが、彼にはその命を守る方法もあると信じていた。


「ありがとう…ガード」


イリスは微笑んだが、その笑顔は少しだけ儚げだった。彼女は自分の病が重いことを理解しているが、それでも最後まで諦めない姿勢を崩さなかった。


試練の始まり


翌日、二人は西に続く道の先に奇妙な霧が立ち込める森へと足を踏み入れた。森の中は静寂に包まれており、不気味なほどの静けさが辺りを支配していた。


「ここが伝説にある試練の場所だろうか…?」


ガードは霧の向こうに何かが潜んでいる感覚を覚えた。イリスもまた、何かを感じ取ったように周囲を警戒していた。


その時、霧の中から低い声が響き渡った。


「ここまで来たか、盾を持つ者よ。お前の持つその力が、いかに大きな代償を伴うものか、知っているか?」


ガードは声の主を探しながら答えた。


「僕はまだ盾のすべてを理解しているわけではない。でも、僕はその力で守りたい人を守るために戦っている!」


声の主は静かに笑ったように感じた。そして、霧がさらに濃くなり、突然、彼らの前に巨大な獣の影が現れた。


「これが試練だ。お前の覚悟、見せてもらおう」


巨大な獣が霧の中から姿を現し、牙を剥き出しにして襲いかかってきた。ガードは盾を構え、戦いの準備をした。イリスの命を救うため、この試練を乗り越える覚悟を持って。


次回、第15話では、試練の森で現れた巨大な獣に挑むガード。命を刈り取る盾を手にした彼は、次なる試練をどう乗り越えるのか。そして、イリスの病が次第に進行する中、彼女を救うための鍵となる賢者の正体とは?盾の秘密がさらに明らかになり、ガードは真の覚悟を問われる。





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