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テーマ詩集:野球

打者

作者: 歌川 詩季

 素振り、最近してないなあ。

 順番待ちの(まる)の中と

 順番が来てからの長四角

 そのふたつのなかにいるときだけ

 ぼくは打者になれる


 バットがボールにあたって走り出せば

 すぐに打者走者になってしまうし

 塁にのこっているうちは やっぱり走者だ

 攻守が切り替わってからは野手になるし

 また攻撃する番になっても

 ベンチで打順を待ってるあいだは

 ぼくは打者じゃない


 あぁ もどかしい

 こんなにも打ちまくりたいし

 どこまでもかっ飛ばしたいのに

 ひと試合で打者になれるのは何度かなんて

 片手の指で足りるのがほとんどで

 両手の指で足りなくなることはめったにない


 だけど その数度のために

 ぼくは数百回だってバットを振るんだ

 そうさ たった数度のために

 ぼくは数百回だってバットを振っておかなきゃ


 ひと試合に数度

 順番待ちの(まる)の中と

 順番が来てからの長四角

 そのふたつのなかにいるときだけ

 ぼくは打者になれるのなら

 それ以外の時間に数百回バットを振っているときの

 ぼくは何者なんだろうか

 考えてもどうせわからないから

 ぼくはまた

 数度のために数百回 無心にバットを振るのだ



挿絵(By みてみん)

 手袋、ぼろぼろになっちゃったから、買い直さないと豆ができちゃいます。

 私、振っても左右で200ずつくらいですけど。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  野球への愛を感じます。素振り大事。センター返しを心がければいい当たりが飛ぶらしいです^^ [気になる点]  マメはいたい……。タコもいたい……。 [一言]  拝読させて頂きありがとうござ…
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