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遅くなって、すみません...
夏の夕焼けは鮮やかで、すべてを赤く染めている。
もうすぐやってくる夜を告げるように、吹く風はどこか冷たい。
それでも寒さを感じることはない。
川の流れは穏やかで、私は橋の上から川を覗き込む。
この川に飛び込んだら、楽になれるだろうかーーー
連日詰られ、もう限界だと、思わず家を飛び出してきてしまった・・・
これがバレたら、もう家から出してもらえないかもしれない。
交番はすぐそこだけど、駆け込む勇気が出ない。
あの人なら、きっと私を見つけ出して、何があろうと報復してくると、それだけは確信を持っていた。
「俺の人生を台無しにするなよ」
毎日、刷り込ませるように繰り返される言葉。
それが、私を動けなくさせていた。
私が我慢すれば、大人しく従順でいれば、多くの制限はあるけれども、生きていける。
罵詈雑言を投げられずに、痛い事もない。
でも、そんな中で生きていく意味ってあるんだろうか・・・
なにも出来ないまま、家に帰る。
意気地のない自分が嫌になる・・・
どうしたらいいのかわからない。
スマホで検索しようとしても、スマホも監視されているから、できない。
あの人が帰ってくる前に、夕飯を用意して、お風呂を用意して・・・
そんな事を考えて身体を動かしていると、苦しさを忘れて無心でいられる。
こんな事を、もう2年続けている。
夜、あの人も寝静まってから考える。
もう終わりにしたい。
楽になりたい。
誰か、私を、ーーして