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暖かな日差しを感じて、瞼を揺らす。
遠くで、人の話し声や小さな物音がするが、自身の周りは静かで誰もいないようだ。
時折吹く風が心地いい。
ゆっくりと覚醒していく。
恐る恐る目を開けると、見知らぬ天井。
ベッドで横になっている身体は重く、起き上がるのは諦めた。
左手を動かして見てみると、そこには丁寧に包帯が巻かれていた。
ーーーーああ、死ねなかったんだ
悲しみから、涙が溢れた。
そして、ふつふつと湧き上がるのは、恐怖。
この事をあの人が知ったら、どんな目に遭うか・・・
これまでの事を想像して、頭の中には「逃げなきゃ」という事しか浮かんでこない。
死のうと思う前に調べていた。
3年以上生死不明でいれば、離婚できる・・・
でも、あの人が、諦めるだろうか・・・
妻が死のうとしたなんて、あの人からしたら我慢ならない程の恥だと感じるだろう。
無理やり身体を動かして、ベッドから落ちる様に降りた。
着替えも荷物も見当たらなかったので、着の身着のままで扉を目指す。
あの人に見つかる前に、どこかに・・・
扉に飛びつくようにノブを握りしめた時、扉の向こう側から人の気配を感じてギクリと身体が固まった。
そっと扉から離れた瞬間、扉が開いた。
心臓の音がうるさくて、周りの音が消えたみたいに感じる。
扉の向こうにいたのはーーーーー