表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

想いの詩(仮題)

恋文(細胞たちの夢)

作者: 浮き雲


不思議なことに淋しさは


きみの豊かな人生を 信じることで相応に


(やわ)らぐように思います




不思議なことに哀しさは


きみの瞳が僕じゃない 誰かに向いていても、なお


笑顔であれば(いや)せます




たったふたつの細胞が


自己増殖(コピー)をやめて、永遠の いのちを閉じる、その代わり


出逢った頃を思います




分裂でなく、寄り添って 


やがて、(たが)いをお互いが 支えることの選択を


した遠い日を思います




己がからだの半分を 捨てて、誰かと結びつき


己がいのちを有限に かえた出逢いを思います




出逢わぬ永遠(とわ)のいのちより 触れ合うことで満たされて


きっと、寄り添う、それだけで 幸せだったことでしょう




同じことだと信じます


僕らもあの日、寄り添って


短い日々を思いつつ 互いを求めたのだから




進化を()ても僕たちは


永遠のいのちの孤独より 出逢ういのちの有限を


選び続けているのです




逢うべき人に逢えるのが


遠い昔に僕たちが


永遠のいのちと引き換えに 得たしあわせに思えます




だからでしょうか 離れても 出逢いに悔いはありません


逢えないままに終わるより なお、しあわせに思います




不思議に、きみがしあわせに いまも、どこかで暮らすのを


しごく自然に受け入れて 僕は生きてもいるのです




きみが笑顔でいることが


笑顔が誰に向くかより ずっと大事なこととして


僕の願いにあるのです




いつか、夜空を澄み渡る


星にも負けぬ純粋な 想いをきみをに届けたい


できればいいと思います




冬から春へ向かうには まだ、寒い日が続きます


どうぞ、豊かに、健やかに きみの暮らしが続くよう




なにもできない僕からの (つたな)(うた)を祈りへと


かえて、電子の夜空へと そっと、浮かべてみますから






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは、特に素敵に感じます。 改行は自由になされていますが、基本75x4の一つの連が全体として文となり、その余裕が「ですます調」の柔らかな語り掛けを実現している、というのは常に感じるところ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ