ヴァーゴを配下にしよう。
フィズの案内でヴァーゴの住処までやってきた。
王都から30分ぐらい音速で飛んだところで、険しい岩肌の山中にある洞窟であった。
洞窟ではあったが、中は結構綺麗だ。床や壁は綺麗に整えられているし、虫や獣が出そうな感じもない。
空気もジメジメもしておらず、快適であった。
洞窟の中をフィズの案内で進んでいく、途中水場や風呂、トイレも完備されていて、意外と文明的であった。
まあこの世界の支配者が住んでいるなら当然か。と思いながら進んでいるとレッドカーペットが見えた。
カーペットの先の立派な扉の左右には灯篭が設置されており
よくあるラスボス部屋らしいラスボス部屋だった。
扉を開け俺は乗り込んだ。扉の向こう側は巨大な部屋のようであった。
「何者だ」
薄暗くてよく見えないが部屋の奥からこの部屋の主らしき者の問いかけを受ける。
「フィズ貴様なにをしている?」
フィズに気づいた部屋の主が先程の問いかけに続けてフィズにそう問いかける。
「俺の名前は麺死郎。この世界にラーメンをもたらすものさ。」
フィズへの詰問を遮り俺はこう答えた。そしてこう続けた。
「ヴァーゴ俺の配下になれ。共にこの世界にラーメンを広めようではないか。」
「ほざけ!」
俺は一瞬で閃光に包まれる。
閃光のおかげで声の主が見えた。巨大な黒いドラゴンだった。
それが俺に向けて口を開き閃光を放った。これがドラゴンブレスというやつか。
「フィズ、貴様何のつもりだ。」
ドラゴン、ヴァーゴがフィズをそう問い詰める。
「ヴァーゴ様どうか、、どうか彼の、麺死郎様の配下となってください。。。貴方が無残に死ぬところを見たくないのです。どうか、、どうか生き延びて」
フィズが泣きながらヴァーゴに訴える。
ヴァーゴは鼻で笑いながら
「奴の配下だと?奴はもうこの世にいな」
そこまで言ってヴァーゴは気付いたようだった。自分の左小指が消し飛んでいることに。
そして足元に俺の姿を見つける。
「なんだ、なんなんだ貴様!我のドラゴンブレスの直撃を受けたはず!なのになぜ無傷なのだ」
その言葉の通り俺はドラゴンブレスでダメージを受けていなかった。
ちょっと熱くて眩しいなぐらいなものであった。俺の中に眠っている魂の力のおかげだろう。
「麺治郎様どうか、どうかお約束を!」
フィズが涙ながらに訴える。
「分かっている。約束だ。ヴァーゴは殺さない。だから配下になるというまで体のパーツを一つずつ破壊する。なーに、こんなドラゴンならそれぐらいじゃ死なないだろう。」
ニコニコ笑ってフィズにそう答えた。
フィズの顔は涙と恐怖で酷いことになっていた。美少女が台無しだ。
「大丈夫。配下になったらちゃんと治すから。」
フィズに優しい笑顔を向けたつもりだったが、何故かさらに恐怖に顔を歪ませてしまった。
「ふざけるな!」
右手のドラゴンクローを俺に振り下ろしてきた。めんどくさかったので右手首ごと切り落とした。
ぐぁあああああああああ
ヴァーゴの悲鳴が部屋全体に響き渡る。
それからどれだけの部位を破壊しただろうかもうほとんど原型を留めなくなったところでヴァーゴが根を上げた。
「あああ貴方様の配下にならせてください。貴方様のラーメン公布に協力させてください」
泣きながらヴァーゴが懇願してきた。
よし、交渉成立!
これでヴァーゴを配下にすることができた。
これでこの世界にラーメンを生み出し広める準備ができた。
まずは何をすべきか考えよう。






