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とまとじゅーす

作者: Reverio

物心ついた時から、親族は皆一様にトマトジュースを飲んでいた。

理由はわからない。

僕の住んでいた農村は水が豊富であったが、日照時間が国内でもトップクラスに短い。

なので、ミョウガやミツバを多少生産していたが、主力は酪農だった。

トマトは十分に育たない生育環境だ。

どうやってジュースを調達していたのか。

家系は代々金持ちの地主なので、それがあったのかもしれない。


僕は古代の世界史に興味があって、都心の大学への進学を希望した。

勉強への意欲も理由の一つであったが、僕はこの村が嫌だった。

というのも、この村は昔からよく人がいなくなった。

理由が一切合切不明で共通するのは失踪者が絶対に見つからないこと。

自治体の監査も入ったが、何もわからなかった。

この村は崖が多く、事案の大半は不幸な事故として片付いた。

しかしそうとは思えなかった。


村の古い書物が家の床下から見つかった。

どうにもこの村は隠されている祭があるらしく、主催は僕の家らしい。

その祭の真実を知った僕は都心へ逃げようと計画した。


僕は村外れの寂れた駅へ向かった。

ここで電車に乗れば...。

僕は改札を抜けようと




『危ねぇ...。あと少しで村を出られるところだった。』

『真実を知った者は村外へ出せん。今夜の贄はこいつだ。』

『ボクちゃんもねぇ、何も知らなければ良かったのに。そしたら主催者側で安定した生活が手に入ったのに。』

『まぁ、さっさと血抜きを済ませてしまえ。脱け殻は畑にでも撒いておけ。』

『皆が血ィ飲んでんのまた見る羽目になんのかよ。』

『血って言うと気分わるくなるべや。トマトジュースとでも言っておけ。』

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