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未知の海原  作者: 宵秋帶爲
此処は?
14/21

海上自衛隊の動向(二)

すいません。また、やりたくなっちゃいました。

 2022年7月27日、日本国日本海島根県隠岐島沖。

 艦橋から覗ける静寂な海原は、異質なものを受け入れた。

 それを見た艦橋乗組員は、唖然としながらも今起こっていることを理解しようとしていた。

 だが、それは拒否された。相手によって、だ。

 普通、漁船や商船しか通らないこの海が、突如として波を打ったのである。

 海に浮かぶ要塞は、砲身をこちらに向けて発砲したのだ。

 誰もが、これを夢だと思い込んだが、それでも体は動いた。


「CICへ艦橋!目標、敵主砲弾!CIWS迎撃始め!」


 艦長が、マイクに向かって叫んだ。殆ど間もなく、艦内放送が響いた。


《対空戦闘よーい!》


マイクが切れる音がした。

 すると、鐘を鳴らしているかのような警告音がなる。

 遅れて、艦長が命令した。


「合戦準備!」


 この合図により、艦橋乗組員が鉄帽を被り、他にも戦闘用の服装に着替える。


「各部、合戦準備よし。」

「目標!右舷上方から来る!」


 艦橋デッキにいる見張り員が、艦橋に顔だけを入れて言った。


《各部、対空戦闘用意良し!》


 CICからの声が伝わった。


「甲板作業員待避!総員、艦内へ!」


 艦長が命令すると、見張り員が艦橋へ全身を入れた。

 すると、唐突にCIWSがかなりの速さで右舷上方に照準した。目標が、CIWSの射程圏内に入ったのだ。


 戦闘が始まった。


 海上自衛隊で初めて、CIWSが実戦導入されたのだ。

 連続した音が、聞こえ始めた。艦橋の窓からは、黄色い線がいくつも確認できる。


「目標、右舷上方より真っ直ぐ近づく!」

「取り舵一杯!前進一杯!」


 艦長の耳に届いた危機的な声で、咄嗟に命令をした。前進一杯など、普段使わないのでエンジンが聞いたことのない声を出している。


「と~りか~じ」


 船体が軋む音がする。限界だ、と弱音を吐いている。


「CIWS、残弾無し!」


 その声を合図に、CIWSに目をやる。

 CIWSは、目標を睨んだままだが、いつの間にか射撃音が消えていた。


「目標!…着弾!」


 音圧が身体に当たる。震えた空気が、艦橋構造物を震えさせ、それを通して乗組員にも空気が震えたのが感じられた。

 遅れて、水の音が聞こえてくる。外は、魚雷が爆裂したかのような水飛沫(みずしぶき)が上がっている。


 命中したわけではなかった。


 それを知った隊員が、次々と脱力していく。人形劇が終わったかのようだ。

 だが、海の男に休みはない。『月月火水木金金』、だ。


「右舷、第2区画に断裂の恐れ。」


 艦長は、脱力感による気だるさを感じながらも、“海上自衛隊”であり続けた。


「応急工作員、急げ!そして、横須賀に連絡!寮艦とも連絡を取れ。」

「了解しました!」

次回!反抗作戦!


読んでくださりありがとうこざいます。

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