表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GOLD GOD GLORY  作者: 白雲糸
第二章~勇者の帰還~
96/96

95、終幕~エンドロール~

「お前が創った最高の世界で、最高の物語で、最高のエンディングってやつを俺が叶えてやるよ」

「最早、君が何を言っているのかを僕はまるで理解出来ないよ」

「簡単だろ? 俺はお前を最高に楽しませてやるって言ってるんだ、そしてお前は俺の願いを叶えてくれれば良いだけだ」

「何を叶えたら良いんだい? 当然ルールは破れないよ」

「今度の世界では、最後のイベントを達成出来る人数を二人にして欲しい」

「それは、どういう事?」

「今度の世界は、俺とチイユがイベントを達成して、3つの選択を受ける」

「うん、出来るよ、今回は一人って設定だったけど、それ位は出来るよ、で? 何を選ぶんだい?」


イフが興味を引かれたのか、少しだけ顔をあげて俺に訪ねる。


「秘密だよ!」

「って、言いたい所だけど、俺達は“(GOD)”を選ぶ」

「それは…… ずるいな……」

「だろ!」


イフが俺の腕の中で少しだけ泣いている気がした。

当然、四桁の年齢の見た目は少年の中身はじいさんが、そんな事位で泣くとは思えないけど、なんだか、そんな気がした。


「じゃあ…… 頼んだぞ!」

「あぁ! もちろんだとも、とてつもなく壮大で、面白くて、最高の舞台を用意してあげるよ」


俺を付き飛ばしイフは続ける。


「でもね、死んでも知らないからね! そして今度こそルールが破れないように、徹底的にジンの事を監視しておくからね」

「俺もルールを破らずに、お前の創った世界を正々堂々攻略してみせるぜ!」

「もう一度言うけど、死んでも知らないからね! 死と言う絶対ルールは僕でもどうにも出来ないからね!」

「俺はお前が創った世界を一度は攻略したんだぞ? 絶対に二度目の世界も完全攻略してやるから、ここで独りで寂しく待ってろ!」

「フン! 泣いたって知らないからね!」

「俺が泣いた所を見たことあるのか?」

「あるね! いっぱいあるね!!」

「嘘を言うんじゃねーよ! あ、ズリーぞ!!」


俺が、イフを突き飛ばそうとしたら場所を変えられ、強制的に七三の髪型にされた。

その光景が分かるように、わざわざ目の前に鏡を用意された。


その鏡が俺を包み込む。


「ちょっと待ってて、すぐに次の世界を用意するよ」


それが俺が聞いた、ここでのイフの最後の言葉だった。

鏡の中は、次の瞬間真っ暗闇に包まれた。


――


毎度同じ事だが、真っ暗な世界である程度の時間が過ぎると、そこから先はどれだけ時間が過ぎたのか、まるで分からない。

さらに、眠気や空腹など全ての感覚が無くなった状態じゃ尚更だ。

そしてこれも毎度突然の事だ。


暗闇が終わる。


目の前に、俺を包んでいたものが全てモニターのようなモノに変わる。

どうやら、複数のモニターに囲まれているようだ。


その映像では、俺が全てのイベントを制覇して、全ての“神の宝具(ゴッドアイテム)”を揃え、エドの国へと帰還する光景が映されていた。

俺の横にはチイユが一緒にいる。

その姿を見つけたチュウタが騒ぎ出すと、次から次に人々が感動の様子で出迎える。


空には綺麗な夕暮れに、輝く雲が“COMPLETE”と形作っている。

城から出てきたイエーミュがチイユの存在を訪ねて来るが、説明すると悲しそうな表情をしてはいたが、納得してくれていた。


神の翼(ゴッドウイング)”で、この世界で出会った全ての人々をエドの城の前に呼び出す。

皆が俺のイベント完全制覇を喜んでくれている。


その晩は大いに盛り上がり、翌朝城の外壁を見ると大きな垂れ幕に“勇者の帰還”と書かれていた。

少し肌寒い朝靄の中チイユと、エドの城下町を歩いている。

エドは、チュウタの頑張りで、すっかり俺達が居た世界のように近代化が進んでいた。

色んな見た事のある飲食店に、コンビニ、自動販売機まである。


そんな光景を見てチイユが兄の事をからかい笑っている。


「クチっ」


チイユが可愛らしいくしゃみをすると、少し寒かったのか俺の身体に密着して冷えた身体を暖める。

チイユの温もりが、香りが俺に伝わる。


全てモニターで見た光景だ。

それにも関わらず、俺はそれら全てを実際に体感しているように感じていた。


再びチイユがくしゃみをすると、それと同時に世界は再び暗転した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ