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GOLD GOD GLORY  作者: 白雲糸
第二章~勇者の帰還~
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72、変わり行くモノ

考えても分からない。取り合えず、下の方を確認すると、取り合えず着衣に乱れも無く安心した。

俺は確かに眠る時一人だった。

何がどうなってこうなった?


「おはようございます」


アオバが寝ぼけた様子で然り気無くベットから降りる。


「ちょっと待て! これはどういう状況だ?」

「っ!? あぁぁぁぁああ! ジン様!! 申し訳ございません! 夜間にくせ者が侵入して撃退していました所、眠気に襲われ、少しだけとベットに潜り込んだ所までは覚えているんですが……」

「なぜ、そこで潜り込む!」

「それは、本当に申し訳ございません! このお詫びは、ジン様が望むのであれば、この身体でぇ」


肩を出して今すぐ服を脱ぎ捨てようとするアオバに枕を投げつけた。

結構な勢いで、魔力も込めて投げつけた枕は、アオバの顔に当たり枕の中に入っていた羽毛が飛び散った。


「申し訳ございません、失礼致しましたわわわわわ」


今までに見た事も無い慌てようで、アオバは寝室から出ていった。

その時に、少しだけ扉の向こう側が見えたが、少しのくせ者どころの話では無く、かなりの数が扉の外に倒れていた。

これだけの数を、夜通し倒して、俺を守ってたって事か?

しかも何が凄いって、音をたてずに、声も漏れないように布のようなモノで口を塞ぎ一撃で仕留めている様子だった。

ローヤと影の男は、絶対に部屋から出ない事を条件に部屋での軟禁を承諾したという事だった。

影の男のスキルは確かに驚異だったが、完全に戦意を失った様子だった事を思いだし、特別気にするという事は無かった。

それよりも、何よりも嬉しかったのは、漸くまともな服が着れたという事だ。

今まで、エドから持ち出した着物をずっと着回していたから、部屋に用意してくれていた、魔術師風の黒くて格好良いローブが嬉しかった。


「ジン様! そのお洋服も大変素敵でございます!!」


扉から出ると、俺を襲おうと城に侵入してきた賊の服や持ち物から戦利品を漁っているアオバと目が合った。

俺の新しい服を喜んでくれるのは嬉しいが、何をやってるんだ、何をと思ったが、一生懸命に行っているその姿と、倒れている賊を通行の妨げにならないように、通路の端にまとめあげているアオバにそんな事は言えなかった。


「ジン様! 結構色々と良いモノがありました! あ、そうだ! 金貨も沢山ありましたよ」


満面の笑みで、血が付着した金貨を俺に差し出してくる。

ここで、再びローヤに出会う前の俺だったら何も気にせず受け取っていただろうが、この世界に来て、残酷な事に慣れてしまっていた自分の言動を振り返り、少しだけ戸惑った。


「あ、申し訳御座いません! 私とした事が、こんな汚れたモノを、申し訳御座いません」


アオバは俺の少しの戸惑いに気付いたのか、急いで自身の服で血を拭い、改めて満面の笑みで俺に手渡す。

俺の大道具入の中に次々に入れてくれる様子に、今度は戸惑う事無く、喜んで受け取った。

アオバも満足そうに笑っている。


「あ! ルーディー!!」

「これは!? 何事ですか?」

「それよりも、ルーディー! ローヤ達は大人しくしてるのか?」

「はい、我が神よ、奴等は完全に神の力を理解し、自由を許された部屋で祈りを捧げる事に全ての時間を捧げております!」


おりますって言うけど、完全にそれはお前の仕業だろう! と、思っても満面の笑みのルーディーを見ると言えない。

俺はこんなに思った事を言えなかったか? これも、この世界に来てからの一つの変化という所か……


「それで、賊というこいつらは何なんだ?」

「私には分かりかねます、申し訳ございません……」

「俺にもちょっと…… あ! そうだ! あいつらだったら何か知っているやも知れません!」

「そうだな、ローヤ達の所に案内してくれ」

「かーみよ! かしこまりましたっ!」


少しずつルーディーの言動が過激になってる気がするが、それ所では無いな。

ルーディの案内でローヤ達の部屋に通された。

鍵も掛かって無いが、ルーディーが言ったように、二人とも両膝を床に付けた状態で、不自然な方角を向いて両腕をべったりと地面に付け祈りを捧げている。

これが何に対して、どういう祈りなのかは時間が無いから敢えて触れなかった。


賊は、元々ローヤがこの城に不自然に客人を招き入れた際に、客人を襲うようにローヤが仕込んでいたらしいが、あまりにも悲惨な拷問によって、その事をすっかり忘れていたという事だった。

いつもの、ローヤの言葉だったら信用するに値しないが、俺やアオバに泣きすがる様子は、忘れていたという事が真実だという事に、取り合えずこの場はそういう事にしておいた。

ルーディーは若干納得いかない様子だったが、アオバは流石拷問をヤり慣れているだけの事はあって、ローヤの怯えた瞳を見て自然と真実を言っているという事が感覚で理解出来るらしい。


「もう聞きたい事はだいたい聞いたから、取り合えず、この町の周辺の獣を狩りに行こうか?」

「それでしたら、殆ど片付いております」

「アオバ、どういう事だ?」

「昨晩、賊の襲撃を受けて周囲に賊が居ないか探索に出掛けるついでに片付けて参りました」


何か可笑しな事でも言いましたか? と、首を傾げ俺に申し訳無さそうな表情をしているが、やってる事は中々に豪快なんだがこいつは理解してるのか? そしてどれだけ強いんだよ。

俺は、まだアオバの本当の力を知らないのかも知れないな。


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