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GOLD GOD GLORY  作者: 白雲糸
第二章~勇者の帰還~
47/96

46、伝説の勇者


……


下層への入り口が見当たらない!?

敵を殲滅して、ついでに岩を吹き飛ばし、見通し良くしたにも関わらず見当たらないとはどういう事だ?


考えてもしょうがねーな。


「スキル発動! “黄金の軌跡(トレーサビリティー)”」


俺は、壁を伝い高く飛び上がり、壁際の地面に金貨を叩きつけた。

地面は、その衝撃に耐えきれずに、大きなヒビが入り崩落する。

地面の崩落に紛れて、岩を避けながら綺麗に下層へと着地する。


俺を避けるように、瓦礫が重なる。


そこには、先程とは比べモノにならない程の獣達が蠢いている。

未だに必死で戦う忍達の姿もある。


「ジン様! これは何事でしょうか?」


そんな中でも、一際大きな衝撃音を奏で、勢い良く獣の命を刈り取る女性が居た。

アオバだ。


「下に降りる為の階段が見当たらなかったから地面を砕いた」

「砕いたって…… 流石です!」

「しかし、この階層の階段は私が死守致しております、ので、ここをお通り下さい」

「ありがとうな」


俺はアオバの肩を叩き、視線も交わさずに通りすぎた。


すれ違い様にアオバは、薙刀を握り直し、目の前の敵に殺意を飛ばす。


敵は獣だけでは無い。


忍も階段を目掛け、次々にアオバを襲う。

それらを全て、たった一つの武器、薙刀の一振りで払いのける。

魔法もスキルも関係ない。


俺は、後ろをアオバに任せ、再び最下層へと降り立つ。


「貴様! どうやってこんなに早く戻ってきた!!」


岩の前で、忍の一人が俺を指差し声を荒らげる。


「リリム!」


忍の目線が少し左へと反れる。

その先を見ると、全身から血を流し、リリムがそれでも立ち上がろうと折れた剣で体を支える姿があった。


「纏いし色は若葉の緑、眠り目覚める大地に炎をともさん」

「行け! サティ、リリムの傷を癒せ!」

「神獣サティだと!? 貴様何者だ!」

「俺の事を知らねーのか!? チュウタ、教えてやってくれ」


階段側の大きな岩に隠れて居たチュウタに視線を送る。


「さてはお前、潜りっすね!」

「この御方は、この世界に三人しか居ない伝説の勇者の一人にして、忘却の女神(レテ)を宿す伝説の冒険者ジンさんっす!」

「頭が高い! っす! ひかえおろう~っす!」

「チュウタ、その辺で良いぞ!」


忍は、わざとらしいチュウタのパフォーマンスに屈して、腰を抜かし震えている。


「そ、そ、んな事があってたまるか! これは我らが悲願だ! この為にどれだけの仲間達が命を投げ出したと思っている! 嘘だ! こんなの嘘だぁぁぁああ!」

「鬼人となりて、我が命、全て喰らいて、その力を示さん!」


忍は立ち上がると、身体が三倍程に膨れ上がり、その身体は赤く色付き短刀を手に持ち決死の覚悟で俺に飛び込んで来た。


「ジンくん! それはフェイクだよ、大風呂敷に気を付けて!」

「関係ねーよ、サティ、忍を殺さない程度に焼き殺せ!」

『どっちです? もぅ、神獣遣いが荒いです』


サティは小言を溢しながらも、忍の隠し持つ大風呂敷(フェイクレザー)をくわえると、黄緑色の小さな炎の球をぶつけた。

忍は、中央に聳える大きな岩にぶつかると、身体の色は元に戻り、元の大きさにしぼんで行く。


「嘘だ…… こんな、事…… 認めない」

「ここまで、やったんだ…… 目覚めろよ…… 鵺ぇぇぇぇぇええ!」


忍の声に呼応するように、大きな岩が脈動を始める。


「ジンくん、ヤバイよ!」


リリムが全速力で岩肌を駆け上がる。

俺も急ぎ続こうとするが、次の瞬間大岩が紫電を迸らせ、崩壊が始める。

それと同時に、外縁を赤く彩る白い文字が空中に刻まれる。


“鵺の目覚め”


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