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GOLD GOD GLORY  作者: 白雲糸
第二章~勇者の帰還~
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45、ダンジョン最下層への軌跡

このダンジョンは全部で10階層あるらしい。

そして、この中は特別で、というか、ダンジョンと呼ばれる所は等しく特別で、必ず最下層にはイベントに相応しい獣が待ち受けているという。

チュートリアルの山の下層にあるダンジョンには竜が、ここには鵺が眠っていて、イベント達成後に現れる扉の中も、他のイベントとは異なり、ダンジョンイベントでは、確定アイテムを手に入れる事が出来、飛竜では“大道具入(ビックポーチ)”が必ず手に入り、ここでも同じように確定アイテムがあるという。

勿論それ以外のアイテムはランダムであり、ランダムの中には“神の宝具(ゴッドシリーズ)”も含まれているという事だった。


ただ、ダンジョンは最下層を目指せば必ずイベントが発生する分けでは無く、鵺の発生条件は忍の里に代々伝わっているだけで、他は誰も知らないという事だった。

正しくは、そういう設定だった。


スマホゲーム時代には、検索をかければすぐに調べる事が出来たらしいが、この世界では、スキル位しか調べる術は無いという事だ。


「だったら、チュウタ、お前分かってんじゃねーのか?」

「魔力を消費するから、簡単には使えないっす」


確かに…… 鵺のイベントがどうやって発生するかは問題ねーよな。

ばあさんを助ける事が目的だからな。


色々と話が聞けたのは、5階層まで下りる間に全く獣と遭遇しなかったからだ。

代わりに、忍の死体が至る所に転がっていた。しかし、獣の死体は全く見当たらない。


「これは、どういう事だ?」

「簡単な事っす、獣が倒せて無いんす」


俺は、どんな獣が何を行っているのか聞こうとしたが、それも関係ねーよな。遭遇すれば倒すだけだ。

それに、チュウタが何も情報を出さないという事は、知らないか知ってても問題ないと思っているかだ。


それは、8階層まで下りてようやく姿を表した。


猛獣レッドリーザド、幻獣ミノタウロスが大量に……


「どうしてこんな事になってんだ? こいつら、各階層に均等にいるんじゃねーのかよ!?」

「これは、多分、わざとっす」

「全力で行っくよー!」


両手に剣を持ってリリムが飛び出す。

それを追う形でアオバが強烈な一撃を放ち、一気に獣達を吹き飛ばす。


「二人共待つっす! ここで時間を使う分けにはいかないっす!」


チュウタは、二人を呼び止めると、尚も薄く続く緑色の軌跡を指差す。


「こっちっす! 時間が無いっす!!」

「分かってるから、大丈夫だよ!」


リリムが、獣を斬り伏せながら答える。

アオバは一足早く下層へと続く階段の入り口に近付く獣を排除しながら、その入り口を確保してくれている。

俺は、特に何をするでも無く、その階層を通りすぎた。


9階層では、さらに多くの獣達に忍達が襲われてている。

8階層の比では無い獣の数に、俺は魔力を迸らせた。


「ジンさんも、こんな所で構ってる暇は無いっすよ! このまま一気に行くっす!」


完全にチュウタが仕切り俺達を誘導する。

チュウタのお陰であっと言う間に最下層へと辿り着いた。


「ここは私に任せて頂こう」


アオバが最下層へと続く入り口に残り、獣達を遠ざける。


「見えたっす!」


緑色の軌跡が、最下層の中央にある大きな岩の上へと続いていた。


「思たより早かったな」


忍の一人が岩の上で俺達を見下ろしている。


「あれは、ばあちゃんの大風呂敷(フェイクレザー)! ジン君ヤバイよ!」


何がヤバイかは分からなかったが、聞くよりも、説明を受けるよりも先に俺は拳を握り、その忍に飛び掛かった。


「無駄だ!」


俺は、忍が取り出した大風呂敷(フェイクレザー)に包まれた。

直後景色が変わる。

ここは……? 8階層?

飛ばされたのか?

しまった! 下層へと繋がる階段の場所を覚えて無い…… 

チュウタと離れた為か、緑色の軌跡も見当たらない。


そう思った瞬間、数百体は居るであろう獣達、その全てと目が合う。

チュウタは時間が無いって言ってたけど、これじゃあ、どうしようもねーよな。


「スキル発動! “黄金の軌跡(トレーサビリティー)”」


俺は、詠唱を唱える時間を短縮して、スキルを発動した直後に金貨を数枚前方へと飛ばし、獣達をまとめて吹っ飛ばし、一気に片付けた。

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