パーティー結成
つたない文章ですが頑張ります。
翌日、ラスク一行がギルドへと赴く。
「よう、サラちゃん、昨日のリンちゃんはどうなったの?」
「それなら、そこの掲示板をご確認ください。ラスクさんちょっとなれなれしいですよ(笑)」
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- 《告知》
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- リン・エレメンツ
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- 上記の者の冒険者ランクをCランクとして認定する。
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- ランク認定に当たっては、ギルド顧問及びギルド長がランク相当の実力があると保障するものである。
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- また、リンの職業はこの世界で唯一の魔道士。
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- この職業は、精霊との契約によりその力を借り行使する職業である。それ以上の詳細は不明である。
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この告知は、異例中の異例の措置であり冒険者ランクについても前例がないものであった。
先にギルドにいた冒険者たちもこの告知の事でいろいろ意見を交わしているようだ。
ラスクは、早くリンが来ないかとわくわくしながら待っている。
(どうせなら、うちのパーティーに誘ってみたいな。きっといい返事が貰えるはず。)
そんな事を考えながら、他のメンバーにもお伺いを立てる。
「なぁみんな。リンをうちのパーティーに誘うのを反対なのはいる?」
メンバーからは特に反対意見は出なかった。
しかし周りでも、彼女を誘おうとする冒険者たちは多そうだ。
(こりゃ、競争率は高いな。でも、うちらには先に出会ってここまで連れてきたってアドバンテージがあるさ。)
そうこう考えているうちに、ギルドのカウンターの裏からリンとエルフの女性が出てきた。
我先にと冒険者たちがリンの元へと殺到する。
「「「「「俺(私)たちとパーティを組んでくれない?」」」」
一気に勧誘合戦が始まってしまった。ギルド内が大騒ぎである。
その喧騒を聞きつけたガザックが一喝する。
「お前ら、五月蠅いぞ!少しは落ち着くのじゃ。全員で押しかけてもどうしようもないじゃろうて」
ガザックの言葉により、喧騒は収まったのだが問題の解決には全くなっていない。
そこで、リンが仕方なく条件を提案をする事にした。
「まず冒険者ランクは、Dランク以上の冒険者。あと私とパーティを組むリーフが気に入らないとダメ。もちろん私もね。案外、みんな落ちる可能性もあるわよ。この条件で構わないものであれば、まずは話を聞かせて貰います。」
完全に上から目線の物言いである。この提案で半数以上のものが諦めた。ランクが足りないもの、性格についていけないものなどが主である。
残ったパーティーは、全部で4つ。Dランクのパーティーが一つ、Cランクが2つ、そしてBランクが1つである。人数にして18人である。
パーティ人数の内訳は、Dランクが6人・Cランクが4人と3人・Bランクが5人である。
この4つのパーティーと話をしようと思って、サラに応接室が借りれないか相談をしたところマスターを通し快く承諾を得ることが出来た。
「それじゃ、ランクの低いパーティーから話をさせて貰うわね。で、順番に全パーティーと話した後結果を報告させて貰うわ。」
応接室にDランク6人とリン・リーフが入っていく。
そこで、勧誘の動機そしてどういう冒険がしたいのかを確認する。もちろんメンバーの性格等も加味しながらの質問を続けていく。
次のCランク4人のパーティーについても同様の質問をする。
二組のパーティーの面談が終わったとこで二人は休憩した。
「今の二つのパーティーはどうだった?リーフさん。」
「私の事は、リーフでいいわよ。そうね。今の二組に関してはないと思う。動機とかも不純っぽいし、楽したいって感じが見受けられた。」
「そうね、私もそう思うわ。ここまでは、意見が合うし問題なく落選ね。残りの2つはどうかしらね。一つはラクスたちなんだけどね。」
休憩をはさんだ後、Cクラスの3人の冒険者が入室してきた。
女性ばかりのパーティーで、名前がそれぞれマルグリッド・クロネ・アイカである。
同様な質問を投げかける。
「現状でもそれなりにクエストは消化することは可能ですわ。しかしながら、これより上を目指すとなるとパーティーの増員を考えるのですわ。」
「そうね。私も増員に賛成だわ。でも、私たちと同程度の実力がないと足を引っ張られてごめんだわね。」
「私とマルグリッドが現在前衛を務めている。パーティメンバーを増員するのであればもう一人前衛職の人間が欲しい。お二人はどうなの?」
「私は、基本後衛職です。いちおうダガーで戦闘をする事が出来ますが、極力前には出たくありません。リーフは、エルフなので弓とレイピアが使えます。」
動機を話し終え、私たちの回答を聞き何を目指しているかを話し出す。
「私たちは、最近活性化し始めた上級魔族の討伐を目標としていますの。現状のランクで言えば笑われてしまいますが、志は高く尊くですわ。あなたたちとなら、それを目指す事が出来ると思っておりますわ。」
「ふむふむ。わかりました。ありがとうございました。もう一組の話し合いをさせていただいた後、結果を発表させて頂きますね。」
マルグリッドたちが退室し、ラスクたちが入室する。
「やあリン。昨日ぶりだね。」
「そうね。昨日は、ここまで連れてきてくれてありがとうございました。では、質問に移らせて頂きますね。」
世間話をしようとしたラスクの会話をぶった切り、今までの同様の質問をする。
「僕たちは、この街を守るために冒険者をやっているんだ。どんな敵からも守る力を得るためなたどんあな努力も惜しまないさ。」
「あと、僕たちなら君たちを危険から守る事ができる。それだけの実力はあると断言できるよ。」
ラスクが一人突っ走りどんどん会話を進めていく。他のメンバーは、様々な表情を浮かべている。
(こりゃ、きっと断られるわね。)
(さすがラスク。俺たちの言いたいことを言ってくれたな。)
(このノリにはついていけないんだよね~)
(パーティーリーダーの僕に意見させないとこはあいからずだなぁ)
「ラスクが言った通り、僕らなら君たちと組んで周辺の安全を強固にする事が出来る。冒険に関しても僕たちに一日の長があるからね。」
そうアルファが締めくくり、退室して行った。
「残る二つのパーティーの面談も終わったことだし、リーフはどんな感じかな?」
「最後のBランクのパーティーはダメだな。我らを軽んじている。仲間とするには不向きと思う。しかも、この街だけの事しか考えていないようだし、私はパスだな。」
「ラスクたちには世話になったけど、私も同感かな。Cランクの3人組については、私的にはありだと思ってる。」
「そうだな。確かに現状だと一笑されそうな事は言ってるが向上心がいいな。あのメンバーであれば、お互い言いたいことも言えるだろうし気を遣わなくて済みそうだ。」
「うん。そいえば、リーフお金貸して貰えるかな?ラスクたちに借りたお金を全額返済したいの。ちょっとだけ使っちゃったんだけどね。」
「構わない。その方が双方のためにいいだろう。」
「それじゃ、Cランクの3人組と組むってこといいね。」
二人の意見が一致したので、応接室を出てカウンターの扉からギルドスペースに出る。
「長いこと待たせて申し訳ありませんでした。リーフと話し合った結果を発表させて頂きます。」
ギルド内に緊張が走る。ラスクなんかは、にこにこして自分たちが選ばれるものだと思っている。
「私たちがパーティーを組ませて頂くのは、マルグリッドさん・クロネさん・アイカさんです。これから、よろしくお願いしますね。」
マルグリッドたちは、喜んで抱き合っている。それに対し、ラスクたちはこちらを見て非難の目をこちらに向ける。
「ラスクさんちょっといいですか?」
「うん、なんだい?」
「こちらは、あなた方に借りたお金です。全額返させて頂きます。」
ラスクは金貨袋を受け取り、リンに話しかけた。
「なぜ、僕たちとパーティーを組まないの?彼女たちと僕らじゃ実績が違いすぎるし、君たちは僕たちと組んだ方がいい。」
「私たちは、その考え方を否定させて頂きました。確かにランクではあなたたちが上かもしれないし、実力もあるでしょう。しかしながら、私たちは守ってもらおうと思ってパーティーを組むわけではありません。」
続けて、リンはこう言った。
「お互い切磋琢磨出来る関係。お互い意見が言い合える関係。そして、その先に目指すもの。これが彼女たちを選んだ理由です。」
リンは、失望したようにラスクを見てからリーフと共にマルグリッドたちのもとへと行った。
「これから、よろしくお願いします。リーフはともかく、私はCランクと言っても初心者と変わらないのでいろいろ教えてくださいね。」
「「「もちろん」」」
3人は、笑顔で答えた。
感想・意見などがあれば、よろしくお願いします。