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錬金術屋、始めました。  作者: 間宮 ユースケ
~情報整理と人物紹介的なあれ。~
3/5

厄介払い、始めました。

女性がセールスマンの勧誘を受けないように説得すること早、20分


「あの〜早く、してもらっていいっすか?

次がつかえてるんで」


と、セールスマン。


俺は女性へ小さな声でコソコソと話しかける


「ここ、錬金術屋なんでしたっけ?」


にわかに信じられないが、ここが元いた場所(、、、、、、)ではないことが分かった今、受けいる他ない。


「そうだけど、、、なにかあるの?」


と、俺に(なら)いセールスマンに聞こえないほどの小さな声で答える


「なら、この人が帰るように仕向ける様な道具とか薬、ないんですか?」


そんなもの無いとわかっていて、期待なんてしていない。

でも、聞けばここになにがあるのか、なにをやっているのか、この世界ではどんなことが出来るのかを調べることが出来るいい機会だ。

まあ、そんなこと後で聞けばいい話なんだが、、、、、、。すいません、嘘つきました。興味本位です。

そんなもん無いだろうと思いながら女性の「そんなのない」というセリフを待つ。

そして女性は口を開けこう言った


「カリヤくん、私の錬金術をなめちゃ困るね!」


な!?もしかしてこれは!?

自信あり気でちょっとうざい口ぶりから察してそういうものがあるのだろう。期待が高まり少し胸の鼓動が速まった。


「いや、まあないんだけどねぇ」


その言葉を聞いた瞬間、首を絞めたくなる衝動を抑え殺気だけを表情に浮かべた。

多分、屋内が記憶喪失していなければしっかりとヘッドロックをかましていたと思うがなにせ、記憶がなく僕にとっては初対面と同等なんだここはしっかりと絞め技衝動を抑えておく。


「あ、でも強制的に相手を追い出す道具ならあるよ?」


「そんなものあるんですか、先に言ってくださいよ」


「あー、でもね、、、」


「?なにか問題があるんです?」


 「その道具ってのがこれなの」


と、女性は棚にあった道具を手に取る。


「これは、、、なんです?」


今、目の前にある道具はどこからどう見ても見てもゴツイロケットランチャーにしか見えない。


「うん。これから出る玉を相手に当てるとその玉が爆発するの。人間レベルの脆さだったら消し炭になるわね」


問題ありありだった。

そんなもの使ったらここから追い出す前にこの世から追い出すことになる。


 それにしても、この世界の錬金術ってそんなものも作れるのか、、、。てっきり薬とかの調合ばかりだと思ったがそうではないらしい。

ちょっぴり、錬金術に興味が湧いてきた。少し女性に聞いてみる。

 

 「ここの錬金術って武器みたいなものも作ってるんですか?」


 「あ、そっか、それも忘れちゃったのね。じゃあ今から説明するわね。錬金術には二つあるの。

ひとつは『調合』。調合は基本、薬草とか動物、”魔物”の諸種の部位を使用して薬とかポーションを作るの。あと、爆弾とかは、こっちに入るからさっきの”非自立型簡易砲台”の玉はこれで作っているわ。もうひとつは、『練成』。こっちは、鉄とかの金属を活用したり、実際は『調合』で使用するはずのものを転用したりするわ。まあ、転用するのは逆もしかりだけどね。」


 なるほど。たしかにこの部屋を見渡すと毒々しい青紫色の液体なのか液体ではないのか分からないものがはいっている三角フラスコや艶を帯びた刀剣などがところせましに置いてあるのがわかる。こんなに錬金術がオールマイティーでワイドな職ならばこのような町で営まずどこかのもう少し大きい街で営めばいいと思ったが、それを言ったらさすがに怒られると思うし、僕もそこまでデリカシーのない人間ではない(と、思っている)。いわゆる町医者のようなものなのだろう。


 と、もうひとつ気になったことがある。さっき「調合は基本、薬草とか動物、”魔物”の諸種の部位を使用して薬とかポーションを作るの。」って言ってなかったか?特に”魔物”の部分だ。この世界にはそんなものがあるのか。恐怖と興奮と強い興味と高揚。気づいたらほとんどワクワクしかしてない。というか、なんか、、、こう。中二心をくすぐられる。いや、別に中二じゃないんだけど。エターナルフォースブリザード!


 そこで聞いてみる。


 「この近くに魔物が出るところってありますか?」


 「んー?あ、カリヤくん魔物に興味湧いちゃったんだね」


 女性はクスリとやさしい聖母のような顔で笑い、言った。

るっさいな。と言おうとしたが、ほんとのことなので反論できない。


 「まあ、、、否定はしません」


 「じゃあ、いこっか?魔物のところ」


 「ほんとですか!?」


 「うん。ここ周辺は特別に強い魔物もいないから大丈夫よ。

じゃあ、早速いこっか」


 「は、はい。」


早速、ふたりで扉に向かう。


 「待て!」

と、扉から声が聞こえる。扉を見てみると、、、!


セールスマンだった。

、、、まだいたのかよ。


 


 





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