エピローグ、始めました。
『貴方にはこの物語を読んで欲しい。この、幻想のようなこの世界のことを。この夢のような物語のことを。この世界の全てのことを。』
「ここは…何処だ…?」
視線に広がるのは知らない街だった。
自分は一瞬でここは元いた場所じゃないと解った。
大きなマンションもない、それどころかコンクリートで塗り固められた建物が一切見当たらない
ここは来たことはないが、既視感というか、来たことがあるような気がする。
この街はあの喧騒な都会とは違い、ゆったりとした時間が流れている。
良い街だ。俺はそう思った
だが、ここがどこなのか分からないのが事実、しかも一体全体どういうことかこの世界とは違うと感覚的に分かるどこかの変な雑学しか覚えてなく自分の名前、この町、この場所、家族の顔や名前、交友関係などほとんどのことがわからない。
一言で表すと、記憶喪失だ。
「情報収集しないと…だな」
俺はなるべく話しやすそうな人を見つけるべく歩き始めた。
少しばかり歩いて、7人目の人に会った。女性だ。
これが初めてまともな人だったのでようやく情報が取れると思い、心が踊る。
なぜ、6人も人と会って情報がないのかと言うと、まず5人組のヤンキーと会い、これはめんどくなそうな雰囲気を出していのでパス。次に会ったのが男性のご老人。耳が遠いそうで聞き取って貰えず何故かリンゴをくれた。
と、いう経緯である。
と、そんなことを思い出している暇もない。今は目の前の女性に話を聞かなければ。
その人は俺と同じくらいの身長かそれより少し高いくらい。
髪色は黄緑色のような色で眼の色は蒼で凄く神秘的な顔立ちだった。
そして大きい。なにかって?そりゃ秘密さ。
こほん。
多分、俺より年上であろうその女性は女の子というのは似つかわしくない、母のような包容力がありながらも少し遊び心の入った姉の様な人だった。姉がいた覚えがないからわからないが
その胸も心も大きそうな女性に聞いてみる
ここが何処なのか、俺は誰なのか、今はいつなのか、あなたの胸は何カップなのか
そう、聞こうとしようと思った矢先、その女性は声を上げた。
「カリヤくん!今までどこいっていたの!?」
俺の周りに無数のハテナがうかんだ。