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化石女も恋をした。  作者: 榛名
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恋を出来ないのはどうしてでしょうか。

私の名前は笹原茜 30歳。

実は私は誰にも言っていないことがある。







今まで1度も恋愛をしたことがない。







今日3月23日に私は30歳の誕生日を迎えて、もしかしたら一生結婚はおろか恋さえもできないのではないかと感じ始めている。




何かおかしいのだろうか。

小さい時にいじめられたとか、男嫌いとか、トラウマがあるわけでもない。




友だちだって別に少ないわけでもないし、楽しい思い出だって人並みにあり、ごく普通の生活をしてきた。




母は25歳の時に5歳上の父と結婚し、2つ上の姉は中学の時から彼氏がいて、その後それなりに恋愛経験を積んだ末、26歳でごく普通のすてきな結婚をした。現在は立派な2児の母である。




…私だけ取り残されている。

そんな気がしてならない。

最近は月2回のペースで結婚式に呼ばれ、ご祝儀ばかり出してお金も幸せも吸いとられている気がする。





「あんたまだ彼氏できないの⁈ 8年も彼氏いないとかもはや化石じゃん。」

と呟いたのは会社の同僚の中西由美。キレイ系でしっかり者の由美は頼れるお姉さん的存在である。


結婚はしていないが、交際期間2年の彼氏がおり、たまに相談や愚痴を聞いたことはあるが、なんだかんだでラブラブである。


由美には彼氏がいたことを言えずに由美と出会うぎりぎりまで彼氏がいたことにしている。

由美と出会ってもう8年も経ったのか〜

あっという間だったな〜



茜「…誰か発掘してくれませんかね〜」


由美「あんた可愛いし、スタイルだってちゃんと出るとこ出てるし、女性としての欠点はないと思うんだけどな〜

颯太みたいな人がもう1人近くにいたらな〜」


颯太とは由美の彼氏である。


茜「はーい。ノロケ話になってますよ〜」


由美「えへへへ。ごめんごめん。でもあんた本当に可愛いって!彼氏いないって聞いた時は本当にびっくりしたよ!」


茜「そんなに褒められると照れるな〜」


由美「照れてる場合かー!!これはかなり深刻な状況なのよ。分かってるの⁈ 」


…そんなこと自分が1番分かっている。

でも恋愛の仕方が分からないのだ。



20代前半の時は友だちのラブラブエピソード聞いている時や恋愛相談をされることに1番戸惑いを感じていた。


この年齢になってくると過去の恋愛話の1つや2つは持っていないと話題に入れないのである。


焦りに焦って、相談に乗るふりをしてさまざまな恋愛エピソードを情報収集をし、自分の体験談かのように話していた。


最近ではそんなどうでもいい技術に磨きがかかり、さまざまな友だちの恋愛相談を受けるようになった。もちろん今でも自分の体験談を作る材料にさせていただいている。


技術を磨き過ぎたためか私から恋愛相談を受けた人のほとんどが私のもとから旅立ち結婚していく。

…おめでたいことだが、素直に喜べない自分がいる。


しかし、そんな私でもどうしてもわからないことがある。


恋愛ってどんな気持ちになるの⁇


恋愛ってどんな風にドキドキするの⁇


恋愛って好きな人のことで頭がいっぱいになるって本当なの⁇


恋愛ってそんなに楽しいの⁇


恋愛そんなにつらいの⁇




恋愛エピソードはたくさん持っていても気持ちだけはその人にしか分からない。



恋愛のドキドキが全力疾走した時のドキドキや大好きな番組が始まる1分前のドキドキと違うことは分かっている。でもそれ以上は分からない。










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