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畳と線香の香り
私はベットから体を起こしておじいちゃんの部屋がある方へ降りていった。ドアを横に引き開けると白い布に覆われた何かがそこにはあった。前には蝋燭や線香が並んでいたのを覚えている。畳の部屋と線香の香りが立ち込めていてつんとした匂い。私はむせ返りそうになった。
足を踏み入れ、白い布に覆われた所まで歩いて私は隙間からのぞき込んだ。おじいちゃんが使っていた帽子。それを見てこれは本当なんだということを実感した。
後から母が続いて部屋に入ってきた。「見ないの?」母の言葉にハッと我に返り私は何も言わずおそるおそる白い布を取ってみた。どう見てもただ寝ているようにしか見えないおじいちゃんを見て私は泣き崩れた。「学校行く支度をしなさい」優しく母は私に言った。顔を洗って私は支度し始めた。