表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/73

第20話 最後の頼み事(3)

「隠れ里はムー系…彼女の所属するイルミナティはアトランティス系…世界の運営方法で意見は別れたの」


 なるほど…何となく話が見えて来たぞ。

 世界を守ろうとするムー系隠れ里と世界を我が物にしようとするアトランティス系イルミナティとの対立か。

 それ系の話はネットや本とかでいくつか目にしたけど…笑い事じゃなくなって来た…当事者になっちゃったからなぁ。


「ライアンもね、アトランティス→イルミナティの一員だったけど私達の考えに同意してくれたんだ」


 あ、ライアンの件も話が繋がった。そう言う事か。

 しかしよくよく話を整理してみると僕は今ものすごい世界観の中の放り込まれちゃってるな…。


(うわぁ…とんでもないぞこれ…)


「まだ何か質問ある?」


 普段僕の話をあんまり聞いてくれない見えないちゃんが今回いつになく僕の話に付き合ってくれている。

 こんなチャンスは滅多にないぞ!これはもうどんどん質問するしか!


「あの作業って具体的には何をしているの?」


「イルミナティの妨害で歪んでしまったこの星のエネルギーバランスの流れを修正しているの」


 ああ、確かあの石版の力でこの星のエネルギーバランスを調整してるんだった。

 うん、忘れてないよ!しっかり覚えているよ!

 でもバランスを調整していないとどうなるって言うんだろう?


「それって…」


「前に言ったでしょ…奴らは自分たちの支配する世界を望んでいるって…それを阻止しないと」


「しないと?」


 イルミナティはつまり地球環境そのものを制御しようとしているんだ。

でもそれってそんなに悪い事なのかな?

 雨が足りない所に雨を降らせたり台風を反らせたり地震を抑えこんだり…。

 自然環境を支配出来れば人類はもっと発展出来るんじゃ…。


「この星のバランスを崩す行為は結局星の寿命を縮める事になってしまう…そうなってしまうと…未来を失ってしまう」


 この見えないちゃんの言葉で僕はハッとした。

 そうか、イルミナティの考えは人間視点…地球環境を語るなら主体はあくまでこの星でないとならない。

 どんな自然現象もこの星がそうする必要があるから起こっているんだ。


 風邪薬は熱を抑えるけどその効用のせいで病状の回復は伸びてしまう。

 人が熱を出すのはその必然があるからでつまりそれは地球環境も一緒なんだ。


「今ならまだ間に合う…言い換えれば今何とかしないともう後がない…」


(だからそんなに真剣だったんだ…)


 見えないちゃんが急いでいるのはそういう理由があったからなのか…。

 その割に随分休んだりもしたけど…あれは僕を気遣ってくれていたのかな…。

 伸びたスケジュールのせいでまた急がなければいけなかったんだな…。


 ここまで話していてふと見えないちゃんがこの部屋にいる事に考えが及んだ。

 彼女が今ここで落ち着いて僕と話しているって事はもう作業は終わったのかな?


「そう言えば作業は終わったの?」


「それが実はやばい事になってて…だからちょっと頼まれて欲しいんだけど…」


「う…」


 何だか悪い予感がした…。

 この予感は当たる…そう確信していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ