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第20話 最後の頼み事(2)

 しかしどうやってあのピンチを回避したんだろう…。


「えっ?あ、でも誰が対応したの?ディーナだって…」


「んっ!」


 この質門に見えないちゃんは顎を動かして窓の外を見るように僕を促した。

 その指示に従って僕が窓の外を見ると…ディーナとライアンが戦っていた。


「あ…」


 僕はライアンを疑ってしまった事を反省していた。

 何だ…やっぱりライアンは僕達の味方じゃないか。

 ディーナ…やっぱり僕を混乱させる為に…。

 一応この場が助かった疑問はこれで解消した。

 安心したところで僕はここに来てから思っていた疑問をつい口に出してしまっていた。


「でもおかしいよね…ここがシャンバラだとして…住人が誰も見当たらないだなんて…」


「住人いるよ、ここに…」


「?」


 見えないちゃんはその質門に謎掛けのような言葉で返して来た。

 住人って僕らさっきここに来たばかりじゃないか…。

 この見えないちゃんの返事の真意に僕はすぐには気付けないでいた。


「だから、隠れ里ってシャンバラなんだよ」


「…マジで?」


 な、なんですとー!

 いきなりの見えないちゃんのこのカミングアウトに僕はすぐには理解が追い付かないでいた。

 でもそう考えると色々納得出来る部分もあった。


「えっ、でも…村の流通品とか日本のものだったよ…」


「隠れ里は日本の古代から続く組織公認だから色々力を貸してもらっているの」


 うーん…そうだったのか…。

 こう言う話題はあんまり知り過ぎるとヤバイ分野だな…ここはこれ以上突っ込まないでおこう。

 後、もうひとつの疑問は…。


「後、隠れ里って夕日が落ちてたんだけど…確かシャンバラの太陽って人工太陽だったよね」


「あれはホログラム…村は地上と次元の壁を通じて繋がっているからその感覚を忘れないようにする為のものよ」


 あの村を隔てる次元の壁は…そう言う事だったんだ…。

 隠れ里の景色はシャンバラの景色だったんだ。

 隠れ里は最初から日本じゃなかった。


 つまり隠れ里の人たちはシャンバラ人?だったんだ…。

 これで見えないちゃんの能力の秘密も何となく納得出来る気がした。


「シャンバラの人だったからあんな能力が使えるんだ」


「そして君にもその血が流れてるって事…」


 見えないちゃんの話によればシャンバラを出て地上に現れた一族がいてその一族の末裔の一人が僕だと言う事らしい。

 僕は…僕の一族はそんな由緒正しい家柄だったのか…。

 って言うか時代が下って血は広がっているので大まかにいえば日本人全体がその血を引いているらしいんだけど。

 何だそりゃ…喜んで損した(汗)。


「じゃあディーナとかは?後ライアンも…」


「彼女も大元を辿れば同じ系譜に辿り着くけど…流れが違うの…言うなればムーとアトランティス」


 ムーとアトランティス!シャンバラが実在した以上これらの古代文明もきっと本当の事なんだろうな。

 数々の都市伝説の点と点が線で繋がる…知的好奇心が満たされて行く…。

 僕は見えないちゃんの話をただ興奮して聞くばかりになっていた。

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