第17話 そしてシャンバラへ…(3)
「お前、そいつ連れて来たのかよ!」
「ここは神聖な場所なんだぞ!」
「お荷物連れて来てどうすんの!」
「…」
あらら?僕はお呼びでないっぽい?
でも連れて来たのは見えないちゃん自身だからね?僕はある意味被害者だからね?
神殿でのあの切迫した状態で二人一緒に飛ぶしかなかったんだからね?
僕の方もまだ事態が全然飲み込めていない状態で彼らの言葉に同意も反論も出来なかった。
「いいから!始めるよ!」
既にそこにいる4人の中にずかずかと無理やり割り込んで何か作業を始める見えないちゃん。
僕は本当に何も出来ずにただ呆然とその様子を眺めているしかなかった。
ああ…さっきの子供達の指摘通りだよ…何も出来ない僕はお荷物状態だよ…。
でもアレだね、見えないちゃんがそうだったようにきっとこの子供達も実際はみんな見た目通りの年齢じゃないんだろうね。
みんな訓練されたようにテキパキと作業しているもの…何しているのかは分からないけど。
見えないちゃんの今までの仕事ってもしかしたらここに来るための伏線だったのかもなぁ。
伏線って言うとちょっと変か…準備って言うか大本の目的が今しているこの作業の為だったんだろうな。
うん、する事もないし折角だからこの状況をじっくり観察していよっと。
ここに集まった見えないちゃん以外の4人…男の子が二人に女の子が一人と性別のよく分からない一人…。
男子は結構生意気な感じかな…。女子も結構キツイwwwうひぃwww
作業は部外者の自分からは何しているのかさっぱりだったけどその様子から見て特にトラブルもなく進んでいるっぽい。
ここが司令塔部分だとしたらアレだな…ここからの作業の結果が各地の隠れ里のあの建物に反応して…
いや、よく分からんから変な想像はやめとこ(汗)。
「…制御系の出力安定!」
「…傍流の経路から無駄な情報カットして!」
「…ダメだ!ここから先は向こうから返ってこないと返事出来ない!」
「…良し良し良しぃ!このままこのままぁ!」
「…」
うーん、何だこのやりとり…それっぽいけど。
部屋の中央には要の石版の親玉みたいなのが鎮座していて5人の目の前には宝玉のような水晶球のようなものがセットされている。
5人の席の前にはそれぞれに用意されたタッチパッドっぽい操作盤があってみんなそれを操作しながら作業をしている。
部屋の作りは実にシンプルで無駄な飾りもなくある意味凄くシンプルで殺風景。
壁や床の色はシンプルに白で統一されていた。




