第16話 反撃開始(3)
(見た目)10歳の女の子にお姫様抱っこされる19歳って…。
「ありがとうね!君のおかげで作戦大成功だよ!」
見えないちゃんにそう言ってもらえて僕は素直に嬉しかった。
こんな僕にも役に立てる事があるんだ…こんなに嬉しい事はない…。
でもこのお姫様抱っこ状態はちょっと…。
「…恥ずかしいんで下ろして…」
「あ、うん」
そんな二人の様子を見て怒り新党…じゃなかった怒り心頭なのがその様子をじっと見ていたディーナ。
「ふ、ふざけるんじゃァ…ないよッ…!」
彼女はそう言って僕らに向けて銃を向けて来た。
おいおい!いきなり物理的攻撃かよっ!
「あんたらはァ…私を馬鹿にしたッ…!ここで死ねッ…!」
…あ、これ死ぬわ…。
僕が素直に死を覚悟すると…
「はーい、おイタはそこまでね~♪」
バシッ!
突然現れたライアンがディーナの銃をはたき落とした。
彼女の手から落とされた銃が部屋の床を転がって行く。
「ミミリ!全封印解除を確認した!装置は壊したからもう飛べるよ!急いで!」
「分かった!行くよっ!」
ライアンと見えないちゃんは二人だけに分かるやりとりをしている…。
僕があっけにとられていると見えないちゃんは急に僕の手を握ってどこかに空間跳躍した。
…ええっ!何これ展開が全然読めないんですけど!これから僕どうなっちゃうの?
「ライアン…もういいでしょォ…手を離してよォ…」
「ごめんごめん…」
ライアンはディーナの銃をはたき落とした後その手を後ろに回して彼女を拘束していたが二人の姿が消えるのを確認してそれを解除した。
彼女は恨めしそうな顔をしながらライアンを見つめている…。
「今回は私の負けよォ…何か納得行かないけどォ…」
「うん、そう言ってもらえると助かる…じゃっ!」
ライアンはそう言うとすぐにディーナの前から姿を消した。
それはまさにNINJAのワザだった。
「全くゥ…私の洗脳が効かないなんてェ…癪に障るわァ…」
姿を消したライアンを見て一人つぶやくディーナ。
この二人、過去に何か因縁があったっぽいね。
「とりあえずゥ…こちらもまたこれで計画が進んだわァ…ふふゥ…見てなさいよォ…守り人娘ェ!」
不敵な笑みを浮かべるディーナ。
どうやらこの状況もまた裏組織にとって想定内の出来事だったっぽい。
事態はまだまだ予断を許さないまま次の舞台へとコマは進められて行く…。




