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第15話 天敵現る(5)

 まだまだ勝負の行方は分からない…ただその鍵が僕だとして僕自身その力を把握していない…リスキーだなぁ…。


 そんな訳で僕らの反撃が始まった。

 よおし!いっちょやりますか!



「それで?ハァハァ…どうするの?」


 僕は走りながら見えないちゃんに問いかけた。

 能力が開放された見えないちゃんは壁抜けを繰り返しながらまっすぐに出口へと向かう。

 出口へと向かいながらその作戦を話し始めた。


「とにかく要の石版に一直線!」


 壁を無視すれば最短距離でその場所へと辿り着く。

 シンプルだけどそれが一番かも知れない。


「でももしそこにディーナが待ち構えていたら?ハァハァ…」


「その時は頼りにしてるから!」


 僕の質問にそう言いながら見えないちゃんが僕の肩を叩いて来た。

 さっきからハァハァ息が切れている僕に対して全く息の乱れない見えないちゃん。

 一体どう言う鍛え方をしているんだよっ!(汗)


 …って言うかなんか頼りにされているっぽい?

 スポーツ漫画やバトル漫画とかでよく言う”秘密兵器”みたいなポジション?

 だとしたらそれはそれでちょっと気分が良かった。

 頼りにされるって、嬉しいねっ!


 ただ頼られてもご期待に添えられるかどうか全く未知数なんだよなあ…。

 どうかヘマして見えないちゃんから冷たい目で見られませんように…(祈り)。


 僕らは捉えられていた牢獄のような場所を抜け大広間に出た。

 そこで分かったんだけどさっきの牢獄のような場所も大神殿の一部だった。

 神殿の中に牢獄まで作られているだなんて…。

 それよりもまず目的達成が第一、驚くのは後にして見えないちゃんとの歩調を乱さないようにしないと。


 行き先の分かっている見えないちゃんは自由に進めてもそれが分からない僕は必死で合わせるしかない。

 これが乱れて見えないちゃんと離れてしまうとステルスが切れてしまってすぐに周りに存在がバレてしまう。

 神殿内には裏組織の研究スタッフが沢山いてそれぞれの方法でこの神殿の研究に勤しんでいた。

 僕は上手くタイミングを合わせていたので今のところは全く周りにバレる気配はなかった。


(さて、ここまでは順調、かな?)



 その頃ディーナは自分の部屋でのんびりくつろいでいた。


「さってェ…、お気に入りの番組も見たしィ…もう一度見ようかなァ…?」


 そう言ってまた再生のボタンをクリックしていた。

 神殿内に持ち込んたノートパソコンの画面には動画サイトとある部屋の中継カメラの画像が同時に表示されている。

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