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第15話 天敵現る(4)

 世界中の闇組織をうまく繋ぎ合わせ彼らをコマのように使っている。

 現在では各国軍部の一部や軍事企業体との太いパイプもあると噂されている。

 人心を掌握し適度に戦乱を起こす事で彼らはその地位を安泰なものに出来るから。


 おいおい…ホンマモンかよ…。


「ちなみにその洗脳は私達には聞かないから安心ね」


 ちょっと得意気に話す見えないちゃん。

 いやいや、洗脳云々の前に僕ら既にピンチなんですが…。

 能力封じられた見えないちゃんはただのか弱い(見た目)子供ですから…。


「でもこう言うので力を封じるって事は彼女はこっちの能力を自力で無効化は出来ないって事だよね…」


 僕はそう言いながら見えないちゃんの力を封じているその腕輪を触った。

 それはただ何となくほんの気まぐれのような行為だったんだ。

 見えないちゃんも何も嫌がる様子もなく僕に普通にその腕輪を触らせてくれた。


 ぱっかーん!


 キィィーン!


 部屋の中に響く金属音。

 そしてその後に続く静寂…。


 一瞬何が起こったのか分からなかった…。

 僕がその腕輪に触れた途端、腕輪が割れてそれがそのまま地面に落ちたのだ…。

 僕自身が特に何か意思を持って触った訳じゃない…ただ物珍しさで触りたかった…それだけなのに。


「え…?」


 どう言う事これ?

 僕は思わず自分の手を眺める。

 うん、何の変哲もない貧乏臭い手だわ…。


「これって…」


「おめでとう!目覚めたね、能力!」


 見えないちゃんはニコニコ笑ってそう言った。

 もしかして彼女にはこうなる事が分かっていた?


「意味が分かりませんが…」


「私と一緒にいると能力が目覚めるようになってるの」


「マジで?」


 見えないちゃんの話によると、


 最初に会った時のあの儀式で力の種を目覚めさせていた。

 見えないちゃんと一緒にいる事で能力が徐々に目覚めていく。

 そもそも能力の片鱗がなければ最初から見えないちゃんの存在を感じる事すら出来ない。


「…って事な訳」


(何だ何だ…いきなり自分がすごい人間のような気がしてきたぞ…?)


 今まで何のとりえもなくてヘタレだと思っていた自分にこんな能力があっただなんて…。

 僕は今まで生きて来た中で今が一番自分に自信を持っているなって実感していた。

 それでもまだ不安要素は残っていた…だって…。


「でも自分に何が出来るかまださっぱり分からないんだけど…」


「そこは色々試してみよう!ぶっつけ本番!」


 流石見えないちゃん、能力が目覚め始めた僕にいきなり本番を要求しますか…!

 でも、そう言うところが見えないちゃんらしいけどね。

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