第15話 天敵現る(2)
パッ!
どこかの上空に跳躍した僕と見えないちゃん。
スチャッ!ドテ…。
うまく着地する彼女と見事着地失敗した僕…。
突然飛ぶんだもん、うまく対応出来る訳がないって言うね。
そして跳躍した先は…神殿の入口でした…って戻ってるゥー!
「入り口じゃん!」
僕は思わず突っ込んでしまった。
「仕方ないでしょ!行った事ない場所にはうまく飛べないんだから!」
あ、見えないちゃんの言う事に一理あった。
彼女も闇雲に能力を使う事はないのね。
僕は彼女が無謀な事をすると思っていたさっきまでの考えを反省した。
「ここから壁抜けで真っ直ぐ進むよ!」
「りょ…っ!」
僕が返事をし終わる前に見えないちゃんは全速力で走り出した。
あたたっ!舌噛んだ舌ッ!
この事で彼女が相当焦ってる事がひしひしと感じられた…。
でももうちょっと落ち着こうよ…(涙)。
見えないちゃんと一緒に壁を無視してまっすぐ走り抜けていく。
前の某研究所ではゆっくりと壁を抜けていたけど本気になったら壁なんてないみたい…これが見えないちゃんの本気ッ!
しかし走りながらこれもあまり意味のない行為のように僕は感じていた。
僕の推測が正しければあの敵、ディーナの能力は…。
「追いかけっこォ…、楽しいねェ…」
「!?」
僕の推測通り、ディーナはまた僕らの前に突然目の前に現れた。
そう、少なくとも彼女は見えないちゃんと同じ能力を持っている…そして少なくともこの神殿内において彼女は見えないちゃんよりこの神殿について詳しい!
「あらァ…?もう逃げるのはァ…終わりィ?」
行く手を阻まれて僕ら二人は動けないでいた。
こんな時、僕はどうすればいいんだろう…?
戦う?って武器もないのに!
(た、助けてライアーン!)
僕の思いが届かないのか…どれだけ待ってもライアンは現れそうになかった。
こ、こんな時に役に立たないなんて…頼って損した。
こうなる事が分かってたら持っていく準備に催涙スプレーとか防犯グッズを入れといたのに!
今となっては後の祭りって言うね…役立たずは自分だって言うね…(汗)。
考えろ…考えろ…。
今のところ目の前のディーナも武器らしいものは構えていない…。
もしかしたら彼女も武器なんて持ってないのかも知れない…。
だとしたら…腕力で何とか出来る…?
僕が臨戦態勢を取ろうと姿勢を変えようとした時、ディーナはおもむろにこちらに向かって手をかざした。
すると彼女の手から光のネットのようなものが放たれて僕らは神殿の壁にたたきつけられてしまった!




