表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/73

第13話 ジャングル寺院(2)

「確かにここに昔大きな文明が栄えていたみたい…500年くらい前に滅んだらしいけど…」


「その頃に何があったの?」


「病気と戦争…島だから生き残った人はみんな海へ逃げちゃってそれから誰も戻らなかったんだって…」


 い、曰く有りげ過ぎる…。

 そんな場所の寺院って呪われたりしていそうで怖いよ…。

 って言うかその前に目の前にはジャングルしか見当たらないんですけど?


「まさかこのジャングルを抜けてその場所へ?」


「うん」


 見通し甘かったーッ!

 何だよこのジャングル!マジでジャングルじゃん!

 森じゃないよこれ密林って言うんだよチクショーッ!

 これじゃ何とか探検隊だよっ!

 それ相応の入念な重準備とかが必要なやつだよっ!


「じゃ、行こっか♪」


「う…」


 全く乗り気じゃない僕を知り目に見えないちゃんはいつものテンションで進み始める。

 一応野生動物の攻撃はステルスで防げるのでしっかりと見えないちゃんの手を握った。

 最早彼女の柔らかい手の感触とか全然感じる余裕すらなかった。



 そうして今に至る訳。


 ジャングルは進むのに困難を極めたものの、お約束の道に迷うとかはないので道さえちゃんと進めるなら割とスムーズに進む事が出来た。

 目の前に突然崖が現れたり途中で道が途切れていたりとジャングルらしいハプニングも標準装備だったけど…。


 悪戦苦闘しながら進んで行くと、ところどころに文明の残骸のようなものが確認出来るようになって来た。

 それは目的地の寺院に近付いて来ている証だった。


「寺院は島のちょうど中央に建っているんだって」


「かなり近付いて来ているよね…ここに見えているのって昔の石畳の道みたいだし…」


 そんな事を話しながらジャングルの木々や草をかき分けていると視界が急に開けて来た。

 その視界の先にあったのはお目当ての巨大な寺院の外堀を埋める巨大な石壁だった。

 やった!寺院は本当にあったんだよ!父さんの話は本当だったんだ!(?)

 寺院は道中の疲れを癒やすような美しさの異国情緒溢れる建造物だった。

 周りがジャングルになってしまったのに寺院だけがその当時の姿のまま…それは不思議な光景でもあった。


 ただし、寺院が目の前に見えていながらそこから先に進む事は出来なかった。

 目の前を大きな川が流れていてそこを渡る橋が見当たらなかったのだ。


「ごめん、近道しようとして今は通れない道の方に来ちゃった」


 小さくゴメンと言う仕草をする見えないちゃん。

 その可愛い仕草を見て思わず僕も苦笑い。

 どうも何故かここから空間跳躍する事は出来ないっぽい。

 仕方ないのでまた大回りして今度はしっかりと通れる場所から寺院の敷地の中へと…。

 ここで1時間ほどの時間はロスしたかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ