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第6話 筋肉痛の朝

「やわだねー」


「うるへー」


 次の日、見えないちゃんがまたしても当然のように家にやって来た。

 案の定筋肉痛になっている僕は普段の三倍の激痛に耐えながらどうにか彼女を家に上げた。

 そうしてのこの会話である…トホホ。


「ああ言う封印をこれからもずっと解いていくの?」


 折角なので僕はこの質問をぶつけてみた。

 見えないちゃんはジュースを飲みながら当然の様な顔をして


「うん」


 と、答えるのだった。


 見えないちゃんは僕の用意したお菓子を黙々と食べている。

 結構チョコ系がお好みらしい。今度沢山買ってこよう。

 さて、次はこの質問かな。


「そもそもアレに僕って必要なの?見えないちゃん一人で大丈夫のような?」


「この世界の住人がいないと座標が狂っちゃうんだよねー」


 見えないちゃんの話によると


 空間跳躍はその世界の住人がいないと跳躍座標が結構狂うらしい。

 その世界の住人と感覚を共有する事で正確な時空跳躍が可能になる。

 そして本人が知っている場所じゃないと跳躍は出来ない。


「僕と初めて会った時にすぐに自分の村に帰れなかったのって…」


「感覚を共有出来るパートナーがいなかったから」


 確かに知らない場所で独りぼっちになったら不安だろうな…。

 それでたまたま近くにいた僕が犠牲になったのか…。


「でも何で僕だったの?」


「何かね、きっと合うだろうなって」


 お菓子を食べながらニコニコ笑顔でそう答える見えないちゃん。

 こう言う姿を見ると彼女も普通のお子様のようにに見える。

 気がつけば用意したお菓子はもう半分以下になっていた。


「それは相性的な?」


「うん」


 その後の事は何となく納得出来るかな。

 自分の素性を理解させる為に村に招待してその世界観を納得させて

 そうして自分のペースで話を進めていくと。

 見えないちゃん、恐ろしい子っ!(カウントは…もういいか(汗))


 今までの話を総合するとはもうひとつの仮説も成り立つ事になる。

 次はその事を聞いてみる事にした。


「じゃあこれから行く場所も見えないちゃんが昔行った事のある場所なんだ」


「うん、大体はそうなると思う」


(やっぱりそうなんだ…)


 過去にも見えないちゃんはこんな過酷な旅をしていたんだ…。

 でもそうなるとその頃にもパートナーはいたはず…その人物は今どこに?

 ただこの質問はプライベート過ぎてすぐには聞く勇気がなかった。

 今その人物と一緒じゃないって事は何かあった事には間違いないし…この質問はまた次の機会にしよう。

 じゃあ次はこの質問かな。


「あの封印って何なの?」


「この星の要…封印されるとこの星の力のバランスが崩れてしまうんだって」


 この星の要って…!何だか話が急に重くなってきたぞ…何ぞこれ…。

 僕らが今やっている事って世界を崩壊から救う的なすごいスケールの大きな事なの?

 オラ何だか責任重大になってきたゾ…(汗)。


「そんなヤバいものを封印してまわる奴らって…」


「さあ…?その内出会う事もあるんじゃない?」


 ななな、冗談じゃないっすよお嬢さん!

 そんな奴ら絶対ものすごい悪党に決まってるじゃないですかやだーっ!

 もし戦闘にでもなったら一瞬で蜂の巣にされる自信があるわ…(汗)。

 これは…これは一日3万円じゃ割に合わないな←


「大丈夫よ多分」


 ガクガク震えている僕を見て見えないちゃんはケロッとした顔でそう答えていた。

 本当に大丈夫なんですよね!その言葉信用していいんですよね!

 僕はこれから先の冒険がすごく不安なものになってしまっていた。

 こんな質問するんじゃなかったと後悔すらした。

 でも知ってしまった以上は…もう覚悟するしかないな…。


「とりあえず明日また来るね、ちゃんと筋肉痛治しておいてよ!」


 ジュースとお菓子をぺろりと平らげた見えないちゃんはそう言うと帰って行った。

 うう…僕に対する心配の言葉とかはないのかね…。

 この筋肉痛…明日にはケロッと治っているといいな…。

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