うちの母ちゃん 料理をしよう!の巻
こんにちは!tanitaniです。
連載の息抜きがてら書いてます。
かといって、手抜きをしているわけではないですよー
tanitaniはいつでも全力ですwww
では、どうぞ。
俺は大学に進学した。
初めての一人暮らし。
希望と不安を胸に、新生活をスタートさせた。
そんなある日・・・
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
返事をしながら慌ててドアを開けると、そこに母ちゃんが立っていた。
「やあ母ちゃん!どうしたの?」
田舎の実家から大学の近くにあるこのアパートまでは軽く1時間はかかる。
よほどの用事がない限り来ることはないだろう。
「いやねぇ・・・勇くんがちゃんとした食事を食べているか不安でね。
今晩は母ちゃんが作ってあげようかなと思ってきたのよ」
「母ちゃんが料理するの!?」
「だめなの?」
「いや・・・いいんだけど」
実は、母ちゃんが料理しているところを俺は見たことがない。
毎日キッチンに立っていたのは、妹と父ちゃんである。
だから、母親の手料理などという物を俺は食べたことがない。
一度ねだったことがあるのだが父ちゃんに
「世界平和の為に料理をしてはいけない女の人だっているんだぞ」
と言われて、全力で阻止された。
だから、不安もあるのだが・・・
天然ボケで常識が不足しているが、優しい母ちゃんである。
そんな母ちゃんの好意を無駄にすることなど俺には到底できない。
俺と母ちゃんは二人でキッチンに立った。
まだ4時だが、お腹が減っていることだし、たまには早めの夕飯もいいかもしれない。
「で、何を作ってくれるの?」
「肉じゃがよ」
「え!ほんとに!?」
「勇くん好きでしょー?」
「うん!」
「それはよかったわ。じゃあ早速始めましょうか。まずは材料を並べて、と」
そう言いながら、母ちゃんは持ってきた段ボールから材料を取り出した。
『豚肉10キログラム』
「たっぷり食べなさいよ」
「そうだね。20人前くらいは食べれるね」
肉じゃがの主人公と言えば肉とジャガイモだ。
「もしかして・・・ジャガイモもすごい量を用意しているんじゃないだろうね?」
俺はたっぷりの不安とともに段ボールの中を覗いた。
その中には・・・
『サツマイモ1個』
「ちょっと少なかったかしら?」
「ここで数の心配ができる母ちゃんを尊敬するよ」
もはや『じゃが』ではなくなった。
とにもかくにも『肉肉サツマ』は完成したみたいだ。
肉が以上に多い、というか肉しか入ってないように見えることと
ジャガイモではなくサツマイモなこと以外は肉じゃがだった。
「よし完成だね」
俺は鍋をのぞきながら言った。
見た目はどうあれ、匂いは本物でとても美味しそうだった。
「まだよ」
「・・・え?」
「ここで!母ちゃん特性ソースを投入っ!!!」
「ちょっと!?そのドロッとした異臭を放つ液体は何!?」
ドボドボと液体は肉じゃがもどきにかけられていく。
「このソースをかけると、肉だって柔らかく溶けて、食べやすくなるのよ」
ソースのかかった部分は確かに、煙を上げながら溶けていった。
それどころか鍋すらも溶けていった。
俺は溶けていく鍋を見ながら思った。
「父は正しかった」と・・・
「続編があるかも」という噂があるとかないとか・・・