第一夜 当惑の世界レイスフィア
本作品は基本的にハッピーエンド至上主義です。本作品は微ラブコメ、微エッチ成分を含みます。食べられません。主人公は年上の女の子から好かれやすいですが、執筆者の願望はかけらも入ってません。…入ってませんてば。
最後に、楽しんでくれると執筆者は浮かれます。
「え~と…とりあえずここどこよ?」
パジャマに素足の少年は眠たげな顔で呆然とつぶやく。目の前には見渡す限りの森が広がっていた。自分で口に出した言葉に遅れてじわじわと実感する。深夜までついついオンラインゲームにいそしんだ後、ベッドに飛び込んで―――気づいたら枕を持って森の中にいたのである。思いっきり頬をつねってひとしきり悶絶して眠気は冷めた。今の状況を現実であることを認識した瞬間、一気に外気の冷たさに気づいて身震いする。
『夜で真冬並みの寒さと来た―――ついてないねえ……』
見渡す限り明かりは見えない。「人里離れた森の奥ってか?ますますついてない。」
ぼやいてハードボイルドに決めてはみたものの、朝が来る前に―――兵庫県在住の六甲第一小学校5年生市川円君が○○山中で凍死体で発見されました――――――なあんて報道されてしまいかねない。
いやだッ……間抜けすぎるぞっ、パジャマに枕持って山中で生き倒れとか…
神よっなぜ僕はこんなとこに―――――
……ん?神様?ばちがあたったのかっ
もしかして。
一昨年夏休みに神社の御神木を蹴ってカブトムシ集めたのがいけなかったのか
小三のチビどもをカツアゲしてた中学生に爆竹投げつけて成敗したことか
ロケット花火水平発射事件のことかっ……
――――――なんかもう余罪まで含めたらすげえダメな子みたいじゃん、僕。
結局、神様から肯定も否定も言葉は返ってこないので、いったん考えないことにする。落ち込むより先に、暖をとる場所を見つけないとリアルに野垂れ死ぬので、民家もしくは洞窟を探そうとするが、見渡す限りの闇。素足という悪条件も加味して、移動できる範囲の中に本当に安全地帯があるのか絶望的に感じる。
まてよ。朝まで運動してりゃ死なないかも?体動かすとあったまるし。朝になれば視界も開けるだろうしな。
――――45分後木にもたれかかって汗だくの馬鹿が一匹出来上がっていた。
『円 は 小学校の授業時間フル が 活動限界 と 判明した。』
レベルアップとかじゃねーから。ぐったりしながらゲーム脳の自分に1人突っ込みを入れる。本当に死んじゃうかも知んない。地面に寝転がってぽつんとそんな事を思う。満月が二つ、煌々と雲間から出始めていた。
――――本当にどこなんだよ?
90年代のファンタジーアニメ(ラブコメあり)が大好きで大好きで仕方ありません。(神秘の世界エルハザード
天地無用! セイバーマリオネットJ etc)
私が当時感じた魂の高揚を少しでも人に分けてみたくなったんです。
少しでも楽しいって思ってくれたら幸いです。