倒さなければならない
出動が続いていた。
何日おき、という感覚も曖昧になっている。
今日は何回目なのかも、よく分からない。
新しい武器も増えた。
名前だけは相変わらずだった。
ヒーロー〇〇。
ヒーロー〇〇。
笑う気にもならない。
もう、何体倒しているのだろう。
考えようとして、やめる。
数える意味はない。
終わりがあるのか、
そんなことを考えても、仕方がなかった。
もう一体。
もう一体。
もう一体。
もう一体。
…………………
⸻
基地に着く。
いつもの場所。
いつもの空気。
……守里さんの姿が、ない。
それだけが、少し引っかかった。
他の三人が何をしているのか、
あまり意識に入ってこない。
博士が言った。
「今日は守里くんは別任務だよ」
それだけ。
理由も、説明もなかった。
僕も、聞かなかった。
⸻
サイレンが鳴る。
いつも通り。
ドリンクを手に取る。
錠剤も渡される。
飲む。
喉を通る感覚が、気持ち悪い。
次の瞬間、
視界が暗くなる。
落ちる。
頭痛。
吐き気。
明らかに、前より強い。
――合っていない。
そう思った。
でも、立っている。
立ててしまう。
⸻
次に気づいた時には、車両の中だった。
揺れ。
エンジン音。
頭が、割れそうに痛い。
現場に着く。
“それ”たちは、
今までより多く見えた。
輪郭が重なっている。
正確な数は分からない。
逃してはいけない。
そう思った、いや、
そうするしかなかった。
ガンを撃つ。
動きが止まる。
距離を詰める。
刺す。
また一体。
次。
ソードが折れた。
構わず殴る。
拳が痛い。
でも止まらない。
逃してはいけない。
逃してはいけない。
逃してはいけない。
⸻
任務が終わる。
車両に戻る。
頭痛も、吐き気も、治らない。
誰かが近くにいる気配はする。
声は、よく聞き取れない。
腕に、冷たい感覚。
目を閉じる。
⸻
家に着いた。
ベッドに倒れ込む。
天井が、揺れて見える。
我慢できず、
起き上がる。
吐いた。
胃の中が、空になるまで。
限界が近い。
それでも、倒さなければならない。
そう思った。
目を閉じた。




