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謎めいたエックス博士  作者: レモン
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第十一章 巨大なスコット

 ピーター、サリバン先生、エックス博士は、スコットがどんどん大きくなるのを見て皆一瞬固まった。彼は頭が天井につくほど大きくなっていた。小指がビーカーに詰まっていた。

 そして彼がさらに大きくなり、彼の頭が天井のパイプを壊すのを、恐怖の目で見た。

 いろんな色の液体がパイプから勢いよく出て、部屋をいっぱいにし始めた。

 大きなスコットは急いでピーターとサリバン先生を右手で拾い、エックス博士と人間の大きさになったマウスを含めたマウスたちを左手に拾った。人間の大きさになったマウスがエックス博士に強くつかまっていたため、エックス博士の持っているナイフは使い物にならなかった。マウスはエックス博士が自分の親友だと思い込んでしまっているようだった。エックス博士はもがき、必死で抵抗したが、スコットの大きな指はおろか大きなマウスのきつい抱擁から自分を引き離すことすらできなかった。

 スコットはカウンターの上の懐中電灯と鍵を拾い、全ての物を手にしっかりと持って、壁をどんどん壊しながら突き抜けていった。ピーターが先ほど見ていた箱も親指でつかんだ。

 スコットは小さな窓のところまで来たが、通れるはずがない。

 色とりどりの水は膝の高さまできている。

 スコットは頭が天井についていて閉所恐怖症になるかと思った。今までに経験したことのないことであった。その時彼は何か思いついた。

 スコットは膝を曲げた。そして突然飛び上がり、天井を強く頭で打った。倉庫の床でもある天井が大きくひび割れる音がした。スコットはより強く天井に頭をぶつけた。今度は倉庫全体が砂でできたお城のように彼の周りで崩れた。

 ピーターはスコットが彼らを落ちてくる建物の破片から守ってくれている間、息を止めていた。

 倉庫が壊れてから、彼らはようやく外に出られた。空の色は深淵のように真っ黒だった。


 一時間後、警察が来て、エックス博士は逮捕された。

 エックス博士、別名ジェイソン・ラングレンは全ての話を告白した。彼によると、ボートに乗っていたサリバン先生と思われた人は、実は等身大のサリバン先生の人形であった。エックス先生は自分の潜水艦でその壊れた人形を回収し、近くの山に埋めた。

 たくさんの人がサリバン先生を殺す動機を持っていることを知っていて、エックス博士はサリバン先生と縁のない人物として自分は疑われないだろうとふんだ。その間、サリバン先生を秘密の地下の研究室で働かせ、生き物の成長するスピードを速める薬のコンビネーションが分かるまで働かせるつもりだった。彼は、もし彼女がそれを作れなかったら彼女の弟を殺す、と彼女を脅した。

 サリバン先生は自分が死んでいるとされているニュースについてちっとも知らなかった。彼女はただ研究室で朝から晩までみじめで怖い思いをしながら働いていた。働いていない時は研究室の隣の部屋にいた。

 エックス博士は警察にこれをする動機について話した。彼は十年前急に昔の敵に対して復讐心を持つようになったと話した。それ以来、彼は彼らを排除するためにいろんな罪を犯してきた。はっきりとした身分証明がなかったため、うまく逃げていた。最近、彼は昔の敵、今の敵、彼の暗い過去を思い出させる人を破滅させるための問題を引き起こす巨大な動物を作ろうというバカげた計画を思いついた。みんな排除して新しい人生を始めたかった。

 彼はもしまた最初から始められたら、今度は自分の人生は最高になるんじゃないかと思った。顔はすでに手術で変えた。なるべくハンサムにした。彼は素晴らしい化学物質の発明で表彰され、ノーベル賞が取れるかもしれないと思った。それは彼の評判を改善し、彼を人気物にするかもしれない。

 彼は小さい頃から理科が好きで、表彰されたいという強い欲望があった。創造力と柔軟な頭は持っていた。欠けているものは科学的知識のみだった。それは子供の頃に十分な教育を受けなかったためであった。誰か彼のアシスタントになるぐらい優秀な人に手伝ってもらわないといけないような気がした。そのアシスタントがサリバン先生で、彼はその化学物質ができたら彼女を殺そうと思っていた。

 殺した人の数については気にしなかった。彼が気にするものはただ一つ:自分の幸せ、だけだった。

 「まぁ、僕のダチはよく自己中になるなと言ってたけど、知っておくべきさ。」エックス博士はまるで酔っているかのような、ひねくれた笑顔で言った。「人間は自己中に作られている、と。自己中じゃなければただ弱いだけだ。そのうち自己中なやつにつぶされる。みじめになったら、自己中になれなかった自分を責めるんだな。」

 エックス博士は頭を後ろに倒して笑った。皆は茫然とした表情を浮かべていた。

 子どもの頃エックス博士と仲の良かった人がインタビューされ、首を振っていた。

 「まぁ彼はいつも自分にとって不快なものや存在してほしくないようなものを消したがる傾向はありましたね…」

 ピーターは手錠をかけられたエックス博士に最後に一つ質問した。「なぜエックス博士と呼ばれているの?」

 エックス博士はしぶい顔で彼を見た。「僕の親友がよく僕のことをエックスタ―ミネイタ―って呼んでたからさ。」

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