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第65話 お部屋探し、続き

描写していませんでしたが、デリックの甲冑はプレートアーマーです。

「水回り良し、日当たり良し、部屋の傾き無し、立地は・・・まあ本人次第かな。」

一悶着はあったがハレンのことは後で考えることになり、オレの下宿先探しが再開された。

「これで6つ目だよハレン先輩。もう疲れた・・・。」

「何言ってるの後輩君。部屋選びが学生生活を左右すると言っても過言じゃないからね。」

ハレンはオレ以上に張り切って部屋の内見をしている。

「なんでワシがチビの御守りせないかんのじゃ。」

「付き合わせてごめんね。デリックが心配だからって。」

屋敷を出る時大家への説明を兼ねてちょうど屋敷に戻ってきたブランドが同行させられた。

当然ブランドは嫌がったがデリックからの指示には逆らえなかったらしい。

「それにあの女は誰じゃ。甘い香りが鼻につく。」

香料ってことじゃないよな。

ブランドはハレンの魔力のことを言っているのだろう。

「学校の先輩だよ。得意魔法は魅了(チャーム)とからしい。」

「チビ、好みにどうこう言わんが・・・。あれは見えた地雷じゃ。」

「あの、ハレンは先輩だからね。」

「そうか。これ以上は言わん。」


その後も数件部屋をまわり、日が暮れたころににアイクラフト邸に帰ってきた。

「後輩君、君へのおススメはこの2部屋だね。選んでいいよ。」

最初から選ぶ権利はオレだけにあるはずなんだけど・・・。

まあいいや。ハレンも真剣に選んでくれていたみたいだし。

「どれどれ、狭いけど学校に近い部屋と広くて周囲になんでもあるけど学校から遠い部屋か。値段は・・・あれ?どっちも変わらないの?」

「当然!学校に近い部屋は人気だからね。」

どうせなら広い部屋の方がいいかな。

荷物も増えるだろうし。

「じゃあこっちの広い部屋ーーー。」

「スヴェン。学校に近い部屋にしろ。」

デリックが口を挟んできた。

「えと、どうして?」

「その部屋を元々斡旋しようと考えていたのだ。他の部屋を選ぶのは自由だがその部屋を選ぶなら家賃は半額にしてやれる。」

おお、なんだかめちゃくちゃ推されている。

家賃半分なら狭い部屋でもいいかな。

「じゃあその部屋にしようかな。」

「はい決まりだね!メガネ君手続き諸々よろしく。」

「貴様に指示される筋合いはない。」

「マーナルディ。今日中に入室できるよう手配してくれ。」

「かしこまりましたデリック様。」

「後は追々備品を揃えないとね後輩君。」

「備品ならワシが集めた。玄関に置いてあるから後は自分で運べ。」

「そうなの?!ありがとうブランド。」

「3も4も大して変わらんわ。ワシは金払っとらんしな。」

ブランドは全員分まとめて買いにまわっていたようだ。

「デリック、それにマーナルディもありがとうね。色々やって貰って。」

「これは報酬の前払いだ。気にするな。」

「そっか。ならオレも仕事頑張らないとね。」

「期待していますよスヴェン。」


「備品も確認したよ後輩君。これで入学準備は整ったね。」

いつの間にか備品の確認をしていたハレンが部屋に戻ってきた。

なんだかオレ本当に何もしてないな。

「・・・となれば後は約束果たして貰わないとね。」

「えと、入学式が明後日だから・・・明日オレの家の前で集合でいい?」

「何言ってるのさ後輩君。今からだよ今から!」

今から?!もう夜だぞ。

荷物だって家に運んでないし。

「冒険者なら夜更かしだってできるよね。」

「おい貴様、少しは常識で物事を話せ。」

「固いなメガネ君は。羨ましいなら君もついてきていいよ。」

「その話本当ですか!!!」

どこからか声が聞こえた。

誰の声だ?

「夜の外出は危険です!」

廊下の方からだ。

「学校に入ったら自由にできる約束だよねカリファ。」

「そうですが・・・いえ、まだ入学していないのでダメです。」

エミール王子と付き人のカリファさんの会話だ。

この二人はアイクラフト邸で生活する予定なのか。

護衛の面で考えれば当然か。

「誰?入ってきなよ。」

ハレンが扉を開ける。

「おー?これは噂の王子様じゃないか。」

「初めましてハレンさん。お話は伺っています。」

「む、こいつは可愛い後輩な予感がする。遠慮なくハレン先輩と呼んでくれ。」

「ハレン先輩!」

「後輩君より純粋・・・。これが天然ものか。」

なんの感想だよ。オレは養殖ものか?

「エミール王子。我々はもう明日に備えるための時間です。今から外出などしませんよ。」

デリックがエミール王子をなだめる。

「いいえ、誰かはスヴェンについて行くはず。なら私も行きます!」

「それだと護衛の面で問題が・・・。」

「全員で行きましょう!皆で行けば問題解決です!」

エミール王子がキラキラな眼で訴える。

これは卑怯だ。なるほど天然ものか。

「なら話は早いね。学校に行く途中で後輩君の荷物を降ろして、そのまま私の研究室に行こうか。」

「はい!一足早く学校に行けるなんて楽しみです。」

まあオレのやることはどっちでも変わらないしいいか。

荷物もいくつか持って貰えるし。


「ワシに自由はないんか・・・。」

一日中働かされていたブランドはあきらめたようにため息をついた。

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