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もしもこんなオレがこの世界の勇者になったなら  作者: 相原直也
幼年期 初めての町 イージス
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第7話 授業とかアレクとか

「はい~。というわけで道の勇者ストリトは魔王を倒した勇者というだけでなく、優れた測量方法をみんなに広めた偉人でもあるわけですね~。」

今日の授業は測量技術についてだ。

難しいことはよくわからないけど、次の2つが大事らしい。

 1つ、タナトリスではモノの長さや距離の正確さにこだわりがある

 2つ、距離や長さの単位は道の勇者が広めたもの

今気が付いたけど”道の勇者”ってこういうところから来てるのかな?

「はい~。では最後に大きい”単位”についておさらいしましょう~。アレク君お願いできますか~。」

「はい、先生。1ヒトメトルは、勇者が歩いた時の杖と杖と間の長さを単位にしています。略称として”メトル”あるいは"m"と表現されることが多いです。次に1ドラメトルは、ヒトメトルの100倍。略称として"ドラ"や"dm"と表現されます。」

「素晴らしいです~。ちなみにドラメトルは"キロ"や"km"でも通じます~。"ドラ"だとドラゴンと勘違いするという理由ですね~。ドラメトルの由来がドラゴンが1回に羽ばたいて進む距離なので当然とは言えますね~。」

へー。"キロ"で通じるのか、これは結構楽だなー。

そうなると小さい単位は"センチ"とか"ミリ"で通じたりするのかな?

「はい~。それでは大きな単位の授業はここまでです~。明日の朝にそれぞれの項の要点をまとめたレポートを提出してくださいね~。」

あれ?今日の授業はここで終わっちゃうか。少し気になるから先生に聞いてみようかな?


授業が終わり、クラスのみんなも帰り始めた。

先生も片づけひと段落したみたいだし、今がチャンスかな。

「先生!あの、気になることがあるので教えてください!」

「あら~。なんでも聞いてください~。」

「あの、小さな単位は"センチ"とか"ミリ"だったりするのですか?」

「あら~。詳しいですね~、そうですよ~。」

「あ、えと、ありがとうございます!これだけです!」

「でも通称の方ですね~。正式には"センチ"は"スラメトル"で、"ミリ"は"エルメトル"です~。」

「ありがとうございます!えと、午後の演習の準備してきます!」

「はい~。では午後もお願いしますね~。」

よし、オレの予想は当たってたみたいだ!

これはアレク君も知らないんじゃないか?聞いてみるか!


午後の演習の準備に寮に戻るとアレク君が昼食の準備をしていた。

「あれ?アレク君いつもは昼食は家で食べてなかったっけ?」

「そうだね。でも今日からは自分で昼食を選ぶことになったんだ。」

「へー。アレク君ってお金持ちだから、通りのお店に毎日行けそうだね。」

「ははは。お父様ならそうかもね。でも僕自身がそうではないから。」

「へー。じゃあ今日は市場で買ってきたの?それとも屋台?」

「今日は屋台で買ってきたんだ。味を一通り覚えたら自分で作るつもりなんだ。」

「え?えと、なんで?アレク君はそんなことしなくても大丈夫じゃない?」

「そうかもね。でも折角の機会だから覚えておきたいんだ。」

「えー。そんな面倒なこと・・・。でも冒険者になったら自分で作るのがいいのかな?」

「スヴェン君は冒険者になるの?」

「あ、うん。『物語の勇者』になるんだ。だからまず冒険者から。」

「自己紹介でも言っていたね。それなら卒業したら冒険者、それとも進学かな。」

「兄ちゃん、あ・・・お兄様が首都の学校に行くから、オレもそうかなって。」

「それは、よい目標だね。しかしお兄様は研究分野の進学だったと聞いている。冒険者になるなら、レイヴン冒険者学校が夢に近いんじゃないかな?」

「そんなのあるんだ。ありがとう。お礼に・・・そうだ、うちの村で母さんが作ってた冒険者用のご飯教えてあげる。」

「それは是非、今からでも教えてくれるかい?今日の昼食は少なすぎたと思っていたところなんだ。」

「あ、うん。演習まで1時間くらいあるから、黒パンとか黒餅とか・・・。」

「いいね買いに行ってみよう。」

「水につけてふやかすんだけど、暖かい水に塩っぽいもの混ぜてつけるとおいしくて・・・。」

今日はアレク君と仲良くなった気がする。

長さの単位と由来

ドラメトル:1キロ、ドラゴンが1回に羽ばたいて進む距離

ヒトメトル:1メートル、勇者が歩いた時の杖と杖と間の長さ

スラメトル:1センチ、スライムが1回に動く距離

エルメトル:1ミリ、『物語の勇者』のエルメトルがこだわったとされる長さ。

メトルはエルメトルの名前から来ています。

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