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第35話 真剣勝負

「スヴェン。準備はいいな。」

「もちろん!」

緊張するな・・・。大丈夫大丈夫。いけるいける。

「ルールは1つ、相手の背中側にある案山子を倒されたら負けだ。切ってもいいし燃やしてもいい。」

「わかったよ。」

案山子はパーティメンバーの代わりだろう。

より実戦に近い形になっている。

「では僭越ながら私、グレジオが審判を務めます。両者武器あり、魔法ありの実戦形式。終了の条件は『案山子が倒れる』のみです。・・・では両者構えて。」

パパとの距離は10mくらい、パパ側の案山子までは15mくらい。

オレの魔法だったら届く距離だ。そうなるとまずは魔法からだな。

「始め!」

先生の声と同時にオレもパパ動きだ・・・さない。

これはラッキーだ。今のうちに熱を貯められる。

「スヴェン。武器は構えないのか。剣は教えて貰っていないか?」

「教えて貰ってるよ。でも重いと動けないから・・・今日はこれを使うよ。」

オレは凝った意匠のナイフを取り出した。前にレイン様から貰ったナイフだ。

よく料理に使っているがとんでもない切れ味なので演習では使っていなかった。

だけど今日は何を使っても勝たないといけない。

「ナイフか。それと貯めの長い魔法。それが今のお前の武器か。」

「父さんこそ丸腰に見えるよ。手加減してくれるの?」

「いいや、武器はある。」

そういうと父さんは地面に手をつくと、体より大きな土の塊を引っ張り上げた。

あの塊を飛ばしてくる気か?そうなると結構まずい。

「スヴェン。お前は単純な魔法が得意なんだろう?でも父さんは少し凝った魔法が得意なんだ。」

そういうと土の塊が崩れ出した。何かを作っている?

いや関係ない。今のうちに後ろの案山子を倒してしまえ。

オレの熱を風魔法で直接ぶつける技。名付けて熱風(ヒート)だ。

直接触るより時間はかかるけど、いずれ燃える!

武具造形(クラフト)、扇。」

でっかい扇だ。でもそんなの作ってもオレの熱風を冷ませないはず・・・。

「この扇、振りにくそうに見えるかスヴェン。だがそれだけじゃないぞ。」

扇を軽く一振りする。すると動作に見合わない爆風が吹き荒れてオレの熱風が飛ばされてしまった。

「なんだよそれ!」

「扇は扇ぐものだ。」

そういうと父さんは扇を地面に落とした。落とした扇はグシャリと土くれに戻ったようだ。

それよりさっきのはおかしい。

うちのマスターならわかるけど、父さんが筋肉ムキムキだった記憶はない。

どういうカラクリだろう。

武具造形クラフト(ハンマー)。」

でっかいハンマーだ。あんなので叩かれたら死ぬ。

・・・そうじゃなくて!父さんが重そうなハンマーを持ち上げているところが問題だ。

(ハンマー)は叩く。」

ハンマーを振り上げた?もしかして直接当てるつもりはないのか。

「そんなんじゃ届かないよ父さん!」

オレは空気の手を握ってパパを殴りつけた。

少しよろめいたけど・・・まだまだ全然だ。

「やるな。ではこちらもだ。」

ハンマーを振り下ろす。

よくわかんないけど、とりあえず防御だ!

空気が硬くなるイメージ!

「とりえあえずこれで・・・。」

ハンマーが地面についた瞬間。辺りの空気が轟音と共に震えた。

くそ!魔法の感覚を潰しにきた!

でもその対策はアレク君と考えたぞ!

衝撃波(ウェーブ)!!!」

相手を空気ごと揺らすイメージ。ファラド様が前に使ってきた魔法だ。

「それの返し方は知ってるよ父さん。」

揺れを揺れで消す作戦は・・・まぁ効果はあった。

まだ熱魔法や風魔法程得意じゃないから、結構きつい。

「器用だな。相殺する方法は中々うまくいかないものだが。」

「色々勉強したんだ。学校でね。」

「スヴェンの成長はうれしいが、今は試験中だ。手は抜かない。」

今のところは何とかなっている。

でもどうしよう、できることは大体やってしまった。

後は案山子を直接触って焼くか持久戦で粘って勝つか。

「次で最後にしようか。武具造形(クラフト)、刀。」

刀だ。前世ではゲームでよく見たけど、こっちにもあるのか。

・・・次に何をされるかはイメージできるな。

「待って!あなたそれは!危険よ!」

「マーサ下がって。ここが一番大事だ。」

今までの魔法から考えると斬撃が飛んでくるのは間違いない。

目で見えるのか、感じられるのかはわからない。

それに避けたら後ろの案山子に当たるようにするだろうな。

どうする?なにができる?

武具造形(クラフト)、鎧。」

今度は防具か。まんま鎧武者だ。

こうなると風でよろけさせるのも難しいかもしれない。

・・・やるしかない。オレの全力で勝負だ!

「心臓に熱を・・・刀を両手で掴むイメージ!」

勝負が始まってから拡散し続けていた熱、それを全部使う。

「受けて立つつもりだな。・・・では行くぞ!」

パパが刀を構える。

感じる。すごい量の魔力が刀に集まっていく。

「刀はーーー」

『グオオオオオオオオオオオォォォォ!!!!!!!』

また・・・あいつらが・・・くそ!

こんな大事な時に!邪魔をするな!


「あなた!中止よ!それどころじゃないわ!」

「スヴェンさん!聞こえますか!・・・スヴェン!こっちを見て!」

心臓が痛い。鼓動が治まらない。体が熱くなる。

「刀は一閃にしてーーー」

視界が白くなる。

どうする?何をする?

「相対す者全てを切り払う!」

頭が痛い。

今やるべきことはなんだ?

息が苦しい。

一番大事なことは?

一刀(スラッシュ)!」

「うおおぉぉぉ!!!突風(ブラスト)!!!」

魔法がぶつかり演習場に砂が巻き上がった。

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