初陣
頭を使えメラニー。
こちらの戦力は3。
あちらの戦力は5以上8以下。
スヴェンさんは暴れて手が付けられない。
狼は連携して襲ってくる。
・・・状況は良くない。
これは戦争、小規模戦だ。
戦争についてなら知識がある。いずれ士官として仕えるため多くを学んだ。
まず勝てる可能性を探る。
アレクさんの呼吸は乱れていない、冷静だ。
演習では一番、魔法もファラド様に劣らない駒。
この場合、一番強い駒が自由に動ければ負けない。
だからまず、彼の鎖を解く!
「アレクさん!スヴェンさんは私が援護します!背中は任せます!」
「でも!いや・・・任せた!」
言うや否や彼は駆け出し一瞬で一匹を切り伏せ、一匹を魔法で吹き飛ばした。
後ろが片付くのは時間の問題だろう。
「お前らが!・・・消えろ!・・・ゼェ、オレの!・・・前から!」
スヴェンさんは息が荒い、それに周囲の温度がドンドン高く、熱くなっている。
このままではこちらが焼けてしまう。容易には近づけない。
「「「「ガァウ!グルル!」」」
だが肝心の狼達はそうではない。
厚い毛皮に守られて熱が思うように通らないらしい。
一撃入れる、距離を取る、一撃入れるの繰り返しで恐らく魔法の範囲外に出ているのだろう。
「ゼェ、ゼェ、・・・逃げるなよ!お前らぁ!」
「グァオ!」
一番最初に姿を現した狼、あいつが指揮官だ。
指揮官の掛け声で他の狼が連携して動く。
「ウグッ!!!」
暴れながらもギリギリで避けていたがついに一撃を受けた。
彼の腕から血が噴き出る。
「・・・ァァァアアア!!!」
彼は噛みついた狼を見えない手で掴み、そのまま地面に叩きつける。
「ギャゥゥゥ!!!」
そして熱魔法で焼き殺した。むごいな。
けれど殺傷力は十分だ。
「グァオ!グァオ!」
怯んだ他の狼を指揮官がしかりつけているのだろう。
連携が崩れた。今がチャンスか?
「!!!グァオ!」
こちらの狙いを悟られたか。
指揮官が連携に参加して動き始めた。
的を絞らせないつもりなんだろう。
「「ガァウ!」」
今度は2匹同時に飛び掛かるつもりだ。
なら片方を止める!
「ガァオ!」
「邪魔か?申し訳ない!」
体を進路に割り込ませて連携を壊す。
倒さなくていい、足を止めるだけ。
「ガァゥ!・・・ギャォォ!!!」
「ハァッ・・・ハァッ!・・・」
もう一匹倒したようだ。だが息が荒い、限界だろう。
だけどもう少し仕事をしてもらう。
暴れて相手の気を引いてくれ。
「グァオ!」
指揮官はまた仲間の影に身を隠した。
また2匹同時に仕掛けてくるつもりだろう。
でももう十分だ。理解した。
「「ガァウ!」」
距離をとり、合図を待って、飛び込む。
上手い連携だと思う。
「でも指揮官だけ、タイミングが早いな!」
脇腹に剣を突き刺し動きを止める。
だけど当然勢いを全部止められるわけではない。
そのまま一緒に引きずられた。
「痛っ・・・アレクさん!とどめを!」
「了解!頭下げてメラニー君!」
アレクさんは反対側の一匹を剣を投げ串刺しにし、その後私が抑えている1匹を光線で頭を貫いた。
決着だ。
「最高だよ、メラニー君。」
「最悪でしょう、アレクさん。」
本当に”勇敢”で困った友人達だ。




