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第24話 子ども会議

オレの役目は皆に会議の内容を伝えることだ。

とにかくメモしよう。

「本日の議題は除雪後の雪についてです。」

議題は・・・除雪後の雪っと。

「今年の雪はあまり例年に比べて2倍近い量だ。町の建物はこの積雪量に耐えられない可能性がある。」

雪がいっぱいで困っているっと。

「ギルドには除雪依頼が山と来ている。」

「そうだろうなエイデン。」

「ではギルド側から現状の報告をお願いします。」

えと、ギルドに依頼がいっぱい。

「ギルドには冒険者が多く所属している。しかし当人の家が潰れそうなんだ。大量の依頼に対して人が全く足りていない。」

えと、えと、人が足りていない。

「それに無理に依頼を受けた結果、キャンセルしたり事故を起こす場合が増えてきた。それのせいでナナリは毎日依頼人と喧嘩しているよ。」

ナナリさんが喧嘩してるっと。ん?これは要らないかも。

「ギルドからはもう無い。」

「町長いかがでしょうか?」

「キャンセルについてはギルドで適切な量を斡旋するように改めて手配してくれ。人員が足りなければ連絡するように。」

「わかった。」

人が足りないと・・・あーもう!追いつかない!

「問題は事故の方だ。今日の肝はここだ。」

・・・疲れた顔だ。かなり困っているみたい。

「魔法で雪に対処することは昨年まで禁止だった。役所で個人に対し免許を発行し、許可された者だけが例外として扱われる。」

「皆普通に魔法を使っていたがな。」

「建前を覚えろエイデン。まあいい、今年から免許なしでの魔法の行使を許可したわけだ。」

「何かかわったか?町長。」

「・・・アレク問題点の説明を頼む。」

「はい。魔法での除雪作業が許可されたことにより責任の範疇が曖昧になりました。それにより依頼失敗時に受注者が雲隠れした場合、役所やギルドが対応することになります。」

「ん?それは受け入れると前に話したではないか?」

「そうだな。だがまだ問題がある。」

「積雪の量が予想以上でした。それにより事故の件数も想定の倍以上になっています。中にはギルドを通さず自分で対応したり、個人間の口約束で契約した結果、不履行や報酬の未払いが相次いでいます。」

あーもう!はい!わかりません!

とにかく想定外ってことね!

「加えて今年はより”溶かす”方法が人気になっています。その結果溶かした雪が多すぎて、町の外で氷塊になっており、それが水をせき止めるのでより問題が加速しています。」

「ありがとうアレク。エイデン理解したか?」

「ああ。なんとなくな。」

「スヴェンはどうだ?ついてこれるか?」

・・・メモ、メモ。ん?オレ今話しかけられた?

「・・・あ、メモしてます!」

「・・・後でアレクから説明を受けるように。」

「はい!」

「とりあえず、ギルドを通さない問題は知らん。話してもどうにもならない。」

「そこには同意する。来年の課題だな。」

「では議題は”魔法での除雪行為”と”溶けた雪の対処”の2点に絞られます。」

アレク君すげー。

「その2点が本題だ。まずは”魔法での除雪行為”についてだ。」

「昔からある問題だ。どうにかなるのか町長?そもそも許可したのは我々だ。」

「その通りだ。・・・この判断は議会を通した正式なものだが判断が甘かったと言わざるを得ない。」

「申し訳ございません。お父様。」

あれ?どうしてアレク君が謝るんだ?

「謝るな、責任は私にある。だが問題には対処しなければならない。」

「はい。私は学校で魔法を学んだ人も多く、個人の判断で十分に対処できると考えて進言しました。」

「私もアレクも想定が甘かった。それに直近の積雪はこの案で対応できていたことも事実だ。」

「ふむ。ギルド側はやれることはやっている。その上で解決案をだせと?」

「すまないエイデン。そういうことだ。」

「無理だ。ギルドで保護する以外の案は思いつかん。」

考えないってすごいな!

いや・・・ギルドの皆で相談した結果なんだろうな。

「わかっている。・・・そこでだアレク、スヴェン。大人からはこの問題を対処する案が出なかった。子供のお前達から案が欲しい。柔軟な発想が欲しいのだ。」

やっとオレが呼ばれた理由がわかった。

解決できない問題を何とかできないか、猫の手でも借りたいってことか。

「スヴェン君。そういうことなんだ。一緒に考えてほしい。」

うーん。どうかな?

オレに思いつくかな?アレク君が思いつかなかったのに?

オレじゃなくてメラニーとかアロナ呼ぶべきだと思うけどな。

・・・そうだ!

「あの、メラニーとアロナ呼んでいいですか?」

「え?せめて1つ考えてからにしようよスヴェン君!」

「構わん。今必要なのは体裁ではない。」

「ちょっと呼んできます!」

「僕も行くよスヴェン君!」

こうして会議は一時中断となった。


「それで?そんな難しい問題を考えろっていうの?」

「アロナ先生!お願いします!」

「メラニー君ごめんね。突然呼び出しちゃって。」

「大丈夫ですよアレクさん。ですがお役に立てるかは自信ないです。」

「はぁ、町長とギルドマスターが見てる前だし。他人事じゃないから今回だけよ。」

「アロナさんもありがとう。忙しいところごめんね。」

さて!じゃあ会議再開だ!

じゃあメモを見て説明するか。

「えっと・・・ん?これなんだ?字が汚くて読めない。」

「何そのメモ?ぐちゃぐちゃで意味わかんない。」

「・・・説明はさっきアレク君から聞いたからいいよね!」

「そうですね。・・・この問題どこから話しますか?」

メラニーの言う通りだ。どこからがいいかな?

アレク君そこらへんよろしく!って顔をしよう。

「スヴェン君なんだいそれは。・・・そうだね、その場の対処と根本的な対処で分けて話そう。」

「その場の対処なんて人手を増やす以外にあるの?考える以前よ。」

「どうして?理由は?アロナ。」

「壊れたら直す。避難先を用意する。どちらも人手が必要。」

「そうなると人手不足の解消の話し合いですね。」

「町の外から呼ぶ?」

「・・・わかってて言ってるの?無理に決まってるでしょ。この雪よ。」

「一応言ったの!わかってるよ!」

「では町にいる人でどうにかするわけですね。」

「お父様やマスターに聞いたけど、役所や冒険者は限界みたいだ。後は子供たちしかいないね。」

「却って問題が増えるわ。」

「できる人はいるよ。ファラド様とかアレク君とか・・・オレも。」

「で?誰が選別するの?あとそれくらいじゃ全然足りないわね。」

「つまり・・・人手不足は解消できないですね。」

「ありがとう。その場の対処は無理となると根本の対処が必要になるね。」

「根本の対処かー。そもそも何が根本なのかな?」

「例年以上の積雪でしょうか?」

「魔法の鍛錬不足。あと冒険者が無責任なところ。」

アロナは言い方がきついな。でも結局はそうだ。

「環境の要因と人の要因があるね。」

「うーん。それに家が壊れることとか、使う魔法とか?」

「確かに、それもありますね。」

「まだあるかもしれないけど、一旦5つに絞って考えよう。」

「スヴェン。なんか案出しなさい。」

「言われなくても出すよ!・・・みんなで熱魔法練習する?」

「面白い意見ね。今から一軒一軒まわってきなさい。『魔法の練習しましょう!』って。」

「うるさいなー。アロナも何か案出しなよ。」

「依頼キャンセルしたら登録証取り上げたら?」

「アロナさん・・・無理なことわかってて言ってますね?」

「どうかしら。ちょっとは効果あると思うけど。」

「その後の問題が大きいね。悪い噂が立って冒険者が離れるかも。」

チャート領は開拓地だ。冒険者が居なくなるのは大問題になるからダメだな。

「うーん。とりあえず何でもいいから案を出し続けよう。」

長く話したけど、結局いい案が出ることはなかった。


「根本的な対処も難しいが結論だね。」

「結局いつ文句を言われるかの差でしかないわ。」

「話した中では避難所を作って避難が現実的ですかね?」

「ありがとう皆。でもその案は実行済みなんだ。」

うーん。3人(アレク君・メラニー・アロナ)集めて文殊の知恵作戦が失敗した。

でもあきらめたくないな。そうだ、前世の知識でどうにかならないかな?

エアコン、ストーブ・・・どっちも意味なさそう。

除雪する車もあった。でも車は無いし。

どっちも今魔法でやってるんだよなー。

あ!できるかどうか別として1個あるぞ!

「道路から水だそう!」

「突然どうかしたの?それ意味あるの?」

「水で雪が溶けますかね?氷になって却って邪魔になりそうですが。」

「溶けるよ!・・・多分。」

「いいわ、溶かせるとしましょう。その後は?」

「今の町では水はけの問題があるね。」

そうか最初に町から出た水をどうにかする話出ていた。

ダメかな?

「町の外の氷は何とかしよう。」

マスター?なにか考えがあるのかな?

「全力で壊す。だが1日1回だ。それ以上は次の日に響く。」

MAX筋肉パワーだった。

「町の外の氷が解決できるなら今まで一番可能性があるね。」

アレク君。それは解決なの?人間ができること超えてそうだけど。

でもできる確信があるんだろう。考えないようにしよう。

「壊せるとして大量の水はどうしますか?町に溢れかえりますよ?」

「そもそも水は門の隣の穴に流れてるわ。つまり壊す氷の数は4つよ。」

確かに、東西南北で門が4つだから数が足りないな。壊せるのは1回だけだ。

「問題を整理しようか。水で雪が溶かせるは前提。問題は2つだ。」

アレク君が紙を取り出してまとめる。

「1つ、水をどう用意するか。水はしばらく出し続けないと雪は溶けないだろうね。」

「2つ、水をどう町の外に出すか。これは出す方向も決めないとね。」

まだ考えるのかー。もう頭痛いよー。

「アレク。もう十分だ。」

「お父様。ですがまだ余地があります。」

「却下するわけではない。採用するのだ。」

「・・・うれしいですがまだ問題があります。」

「大丈夫だ。ここからは大人の仕事だ。」

ん?気が付いたら話がまとまりそうになっている。

「子供達よ、ありがとう。これからもよろしく頼む。」

なんだかよくわからないが会議は終わったようだ。

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