第2話 新しい家族
「スヴェン。誕生日おめでとう。」
祝いの言葉とともに食卓に招かれたオレはなんと今日が10歳の誕生日。
鹿肉と春野菜のシチューの香りが食欲を誘う。
鹿肉は父さんと母さんが、春野菜は兄さんが調達してきてくれたのだろうか。
「ありがとう。父さん、母さん、そして兄さん。」
今日の料理はオレの好物ばかりだ。
相当奮発してくれたのだろう。
「家族の前なんだらもっと楽にしなさいよ。」
「お母さん、スヴェンは今年から学生になるんだ。話し方は大事だ。」
「お父さん、そんなこと言っても半年前までママ・パパって呼んでたのに・・・。寂しいわ。」
「それもスヴェンの成長さ。」
「お父さん・・・。」
などと言いながら2人の世界に入ってしまった両親を横目に、オレは今日の料理をつまみ食いする。
うまい!やはりママのシチューは最高だ!次は・・・
「意地汚いことはやめろスヴェン。」
と兄ちゃんに怒られてしまった。
「料理が冷めるだろ、と言いたげな目だが。ルールを守れない生徒は学校で浮くぞ。」
「ここは家だよ兄さん。冷める前にパンにつけて食べようよ。」
「そういうことじゃない。お前は何で人の言うことが聞けないんだ。」
「学校ではちゃんとするよ。」
「またか、2度は言わないぞ・・・。」
細かいなぁ。面倒だなぁと思っていると食器をヒョイと取り上げられた。
「スヴェン。ちゃんといただきますしてからだ。毎日の約束だろう?」
「父さん。さっきやったよ。」
「”みんなで”いただきますだ。本当に横着な子だ。誰に似たんだか。」
「じゃあ早く食べよう。いただきます!」
皆ははぁとため息をつきながら「いただきます。誕生日おめでとうスヴェン。」とわがままな末息子の誕生日を祝った。
一応みんなにオレの家族を紹介する。
父さん:この村の冒険者ギルドの長だ。といっても依頼の発行も受注も報告も記録も全部父さんがやっている。村に1つの冒険者ギルドがルールなので、仕方なくやっている感じ。実質的な村長だ。
母さん:狩りと料理が得意な普通の村人。昔は父さんと組んで冒険していたらしい。
兄さん:村の有名人。細かい性格。話はあんまり合わない、でも尊敬はしている。あと3つ上。




