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もしもこんなオレがこの世界の勇者になったなら  作者: 相原直也
幼年期 初めての町 イージス
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第18話 ポーション作り再開

「そろそろ回復草を煮ましょう。」

「注意することは?アロナ先生。」

「一定の温度を保つことよ。」

「僕は温度調整が難しくて、さっきは少し焦がしました。」

「そうね、ここばかりは慣れかしら。家で作るときは温度を測る道具を使うわ。」

「なんで今は使わないの?アロナ先生。」

「脆くて高いからよ。子供に使わせる道具じゃないわ。」

アロナも子供だろ。でも慎重に使える人じゃないとダメか。

オレは・・・壊しそうだからいいや。

「そうですか。少し困りましたね。”完璧”を目指すなら何か指標が欲しいです。」

「そうだねメラニー。」

温度か。・・・なんか閃いたかも。

オレの魔法ならなんかいい感じに使えないかな?

怪我から復帰してまだ一度も使ったことないけど。

「そもそも、焦がさないためにはかき混ぜ続ける方が効果的よ。」

「そうですね。頑張ります。」

心臓が熱くなる感じを思い出して・・・。

うんうん。心臓が熱くなってきた。

そこからから体が段々熱くなるイメージ。

・・・できた。今オレの体は感じている以上に熱いはず。

「アロナ先生!今先生の鍋はいい温度なの?」

「そうね。」

「じゃあちょっともらうよ。」

「え、何するつもり?」

オレはアロナの鍋からおたまで少し汁をすくって、指を突っ込んだ。

「スヴェンさん?!」

「バカ!やけどするわよ!頭おかしいの?!」

「えと、大丈夫。熱くないんだ。」

「いいから一回指を抜きなさい!」

「ああ、うん。ごめん。」

怒られてしまった。

でも大丈夫だ。やけどもしないし、温度も感じられた。

オレの魔法は熱に強くなるみたいだ。

「スヴェンさん指を見せてください・・・って熱い!」

「メラニーごめん!オレ今熱くなってるんだ。」

「はぁ、なにそれ。自分が熱いからやけどしないってこと?」

「そうだね。」

「頭おかしいわよ。というかまず説明しなさいよ。」

説明しても信じてくれないだろうけど、突然やったのは良くなかった。

次は先にみんなに話そう。

「結果としてスヴェンさんは鍋の温度がわかるんですね。」

「うん。オレがアロナの鍋と温度を比べて一緒だったらいいんだ。」

「もう勝手にして。あと私の鍋に指突っ込んだら刺すから。」

「しないよ!最初もしなかったじゃん!」

「スヴェンには言っとかないと何されるかわかんないから。釘を刺したのよ。」

「スヴェンさんが問題ないなら、温度はスヴェンさんに任せます。」

「任せてメラニー。オレ楽しくなってきた。」

魔法も使えたし、ポーション作りもうまくいきそうだ。


「最後に瓶詰めね。」

「アロナ先生。ここで気を付けることは?」

「ちゃんと冷ましてから入れることね。熱いまま蓋を閉じると瓶が割れるわ。」

「じゃあもう少し冷ます時間が必要ですね。」

「そうね。」

「ふーん。・・・そういえば鍋に入れた動物の爪って誰のだろう?」

「それは熊よ。」

「熊ですか?それならあんまり数がない貴重なものですね。」

「正確には魔物の熊。体が小さくて数が多い魔物だから、爪もそんなに高くないわ。」

「体が小さい魔物の熊?・・・あ、もしかしてウインドベアか。」

「ウインドベアですか。見たことありますね。」

「うちの村の近くにもいるよ。よく罠にかかってる。」

「安いポーションはそれで充分ね。」

「高いポーションは何使うの?」

「ウインドベアの親玉の爪よ。」

「ウインドベアの親玉ですか?最近町の近くの森に現れた魔物ですね。」

「あ、もしかしてレイン様が狙ってた魔物か。」

「誰かが倒したら爪は買うつもりよ。」

ふーん。

森で回復草とウインドベアの爪を集めればポーション屋が買い取ってくれるのね。

覚えておこう。

「そろそろ冷めたみたいよ。瓶詰しなさい。」

「いよいよ完成ですね。」

「よし、これで最後だ!」

今のオレにできる最高の回復ポーションが完成した。


「あら~。3人とも頑張りましたね~。偉いですよ~。」

先生はオレ達のポーションを受け取り観察を始めた。

「色はよし。固形物なし。瓶にひびなし。」

めちゃくちゃ見られてる。結構緊張するなー。

「じゃあ開けますね~。・・・香りよし。味は・・・よし。」

とりあえず毒薬にはなっていないみたい。

「じゃあ薬効の確認ですね~。飲めるみたいなので皆さんも自分のポーションを飲んでみましょう~。」

そういえば自分の作ったポーション飲んでなかったな。

「おいしいかな?」

「苦いのは嫌ですね。」

「ちゃんと作ったらポーションの味なんて一緒よ。」

アロナ先生。それ、”私の”は苦くないわって言ってる?

「じゃあ飲んでみましょう~。」

グイっと。あれ意外とまずくない。

ん?でも底に行くほど・・・なんかザラザラしてて・・・苦い!

「苦いじゃん!でも飲めなくはない。」

「うーん僕のはなんか薄い。水っぽい」

「いつもの味ね。それより薬効よ。」

「あ、体があったかくなってきた。」

「僕もです。」

「うんうん。先生うれしいです~。ちゃんと”ポーション”になる生徒がこんなにいて~。」

他のみんなはどうだったんだろう。

もしかして苦すぎて飲めないとか?

「他のチームをざっと見て回ったけど、できてたのは3割くらいかしら。」

「後のは?」

「3割効果なし。4割飲む以前の問題ってところね。」

「流石アロナさん正解です~。ポーション作りは適正が必要な作業ですからね~。」

「オレにもできたし、みんなにもできると思うけど。」

「やる気がないのよ。今後1回もポーション飲まない人もいるでしょうし。」

「それは・・・そうですね。必要ない人は興味も薄いでしょうから。」

オレは冒険者になるから興味あったけど。普通はそんなものか。

「さて!お待たせしました~。皆さんの評価は~。」

ドキドキする。アレクに勝ちたい!

「なんと満点です~。おめでとう~。」

おおお!すごい!うれしい!

「チームワークは最高でした~。チームの評価として満点あげちゃいます~。」

「ありがとうございます。先生。」

「やった!」

「スヴェン。ひとりひとりは違うってことよ。」

あれ?そうなの?

「そうですね~。では個別評価に行きましょうか~。」

「えと、どうでしたか?」

「スヴェン君のは濃すぎですね。水の量に対して回復草の量が多いです。あと刻み方も一定にしましょう

。そのせいで煮すぎた部分から苦みが多く出ています。」

あ、真面目モードの先生だ。

「良い点としては、回復草から十分に成分が出ています。温度を一定に保てたのでしょう。回復ポーションとしては及第点です。」

「えと、ありがとうございました。」

及第点かー。アレク君には負けたかも。

「すごいですね。スヴェンさん。」

「よかったじゃない。スヴェン。」

やれることはやったし今はこれでいいか。


「スヴェンさん。アロナさん。今日はありがとうございました。」

「誘ってくれてありがとうメラニー。」

「別にいいわよ。それにメラニーは器用だし、教えていて疲れなかったわ。」

「オレは?」

「もう二度とごめんだわ。」

「そっか、また何かあったら聞くよアロナ先生。」

「僕も聞かせてくださいアロナさん。」

「・・・暇だったらね。」

初めはどうなるかと思ったけど、楽しい実習だった。



ちなみにアレク君は満点だったらしい。

アロナと並んで2人目の満点か、すごいな。

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