表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天体観測  作者: TADASHI
2/5

ベガ

 トーンタンタン、カタンカタン。

 ザァーザァー。


 機織り機の音と大河の流れる音が聞こえる。


 髪を地面まで垂らした女がひたすらに機織をする音だけが響く川棚の楼閣。

 部屋の中には機織り機以外には蝋燭しかない。


 大河のど真ん中の建造物はこの周りの水が引くのを今か今かと待ち望んでいた。


「…九十九」


 カタンという音がなり、布が織り終わる。


「あと一つね…」


 そう言いながら長髪の少女は立ち上がり、部屋の片隅の水じかけに近づき時間を確認すると、棚の一番上から一際大きな布を取り出し、機織り機に掛ける。


「百」


 カタン。


 サアアアアアア


 機織り機の音とともに楼閣を囲む大河も一瞬にして消え失せ、見渡す限りの平原が出現した。



 その平原のど真ん中に設けられた会席。座布団は二つある。

 その中の1つに長髪の少女”織女”がきれいな身のこなしでちょこんと座る。



 もう現れることのない”牽牛”の帰りをじっと待ちながら




 永遠に

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ