表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」  作者: 桜庵
第二章~元に戻った二人の生活・カノン編~
60/170

~判決後の会議(前編)~

判決の日の翌日の昼。

早急な対応が必要という事で各貴族が集まっているのを機にリーデル家の事後処理の会議が行われた。


場所は王宮内にある会議室で今回の会議は人数が多い為、椅子や机が扇状に並び講堂のような構造だ。

出席者は国王、殿下、フローライト家を含む各貴族の代表だ。

その参加者の中に女性視点も必要という王の計らいで、王妃や侯爵家からはカノンとアイリスも参加となった。


「皆そろったな。時間だ…これより、会議を始める。今回は女性の意見も必要となった為、王妃を含め、各令嬢も参加とした。皆、発言がある時は手を挙げて立ち上がり発言せよ。」

皆がそろい、王が会議開始の言葉を発した。


会議の議題は『リーデル家が治めていた領地を誰が治めるか』『リーデル家で働いていた使用人達の雇用問題』『妻子の今後の暮らし』の三点だ。


皆がそれぞれに頭を抱える。それもそのはず。

領地を治めるにしても領民達への税問題が浮上する為、自らの領地にはしたいがまずは領民達に横領分の多額な金額を還元する必要がある。

リーデルの財産から還元できる分はそこから出すが、圧倒的に足りない。

その足りない分は領主が負担する事になる。

その為に皆なかなか領地に関しては意見も出なく我が領地にと手も上がらない。


次に使用人達の雇用の件だが、先でも述べたようにこの国は人口のわりに職が足りていない。その為自分たちの領民の雇用問題だけで手がいっぱいの中、後から出てきた領民の雇用問題まで手が回らないのだ。


そして妻子の今後の暮らしだ。爵位剝奪で平民として生きて行く事を命ずるとはいえ、リーデルの被害者で心身ともに傷ついており無下には出来ない。

平民として生きて行くにしても、彼女達の心持ちを考え生活と職の保証はどうするべきかと今回の議題の中では一番重要と言えるだろう。


各貴族達が書類を見つめたまま沈黙の中、カノンが手を挙げ発言し立ち上がる。


「陛下、わたくしから一つよろしいでしょうか。」

「フローライト家か。うむ。認める。」


「妻子の今後の暮らしについて提案がございます。今回の件で傷ついた女性達が多いのはご存知かと思います。奥方様や娘さんもその被害者です。その方々の心身を癒せる場を提供したいと考えております。まずは衣食住が整えられ、身を休める事が彼女達には必要かと思いますわ。温かい家にご飯、安心して眠れる場所…。我々には当たり前かもしれませんが、彼女達は違います。記憶がよみがえり、恐怖に心を支配されているかもしれません…。なので療養出来る場所をわたくしは提案致します。」

カノンは発言が終わり席に座る。


「ふーむ。たしかに…そうなれば、身の回りの世話をする者も必要となるな。男は厳しいかもしれぬが、同じ女性が世話をするのであれば少しは安心を覚えるかもしれぬ。そうしたら、女性の使用人の中で希望する者はその場に雇用するのもよいかもしれぬな。よし、その提案可決としよう。だが問題は…その場所であるな…。」

カノンの提案は受け入れられたが、土地の問題に差し掛かった。


そこへ王妃が手を挙げ立ち上がる。


「陛下、わたくしからもよろしいですか。」

「王妃か。うむ。認める。」

「この際、先に提案を出したフローライト家に領地を治めてもらい、政策を立て直して頂くのはどうでしょうか。カノン嬢は大変賢く、度胸や行動力もここにいるどなたよりもあります。それに……本当は何をどうすべきか対策を細かくお考えなのでしょう?」

王妃はカノンが案を先にそれも明確に出した事で、細かく考えがまとまっていると見抜き、カノンにウィンクしながら問う。

カノンは王妃に見抜かれた事に驚きさらに予想していなかった発言に目を丸くした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ