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「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」  作者: 桜庵
第一章~最初の入れ替わり生活・カノン編~
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~宣戦布告~

空手を習い始めると決めた翌日からカノンは体力作りのために早起きを始め、朝のランニングを行う事にした。

食事のメニューも交互に料理を作る父や母に協力してもらえるように頼んだ。

基礎準備は万端で意欲も十分にある。

学校への支度も今日からは降ろしていた髪を一つにまとめポニーテールにし、リボンではなくてネクタイをつけて登校する。何かあった時縛れるかもと考えたのだ。カノンは元の世界の教養のおかげもあり美桜の姿でも日頃から綺麗な姿勢や立ち振る舞いだ。美桜の容姿も相まって今やその姿は騎士姫だ。


「一ノ瀬さん、おはよう。」通学途中、峰岸君と会ったので一緒に登校することになったカノン。

「おはようございます。峰岸様。」

「髪結んでるのまた雰囲気変わるね。かっこいい。庇ってくれたあの時もすごくかっこいいなって思った。助けてくれて本当にありがとう。でもどうしたの?またイメチェン?」

「わたくし、部活とお教室二つで空手を習うことにしましたの。昨日の男子生徒対策と、あとは興味がありましたので。髪はまとめたほうが動きやすいのです。」

「それって僕のせいで狙われることになったってこと?ごめんね……。巻き込んで…。何か手伝えることあったら言ってね!もともとは僕が絡まれていたんだし。(一ノ瀬さんばかり……。僕も一ノ瀬さんみたいに強くてかっこいい男に…)」

峰岸君が自分の決心を固めているとカノンが答える。

「峰岸様が謝ることはありませんわ。絡まれているのを見て、見ないふりもできたはずなのに飛び出したのはわたくしです。気になさらないでください。お手伝いの申し出ありがとうございます。もし何かありましたらご協力をお願いしますね。それに先程も言いましたが空手は興味がありましたの。今回の事はきっかけにすぎませんわ。ところで峰岸様はどこかのご子息なのですか?あの方たちがお金持ちが何とか…とおっしゃっていましたが。」

「僕の家旧家で…。書道とか茶道を中心に活動してる家柄なんだ。あとはちょっとした企業とコラボしたり駅前の広告の書道を担当したりいろいろしてる。って言っても父さんと母さんがしているだけで僕は何にも…。一応家を継ぐために勉強中ってところかな。」

「そうでしたの。お家を継ぐ準備をなさっているの尊敬します。(わたくしは見ないようにしてましたから……。)頑張ってくださいね。」

「ありがとう。……あ、あの、一ノ瀬さん!僕の名前!よかったら下の名前で呼んで欲しい!…です。できれば様の敬称はなしで…」そう照れながらカノンに伝える。

「わかりましたわ。では雅君と呼ばせていただきますわね。わたくしの事も呼び捨てでお呼びくださいな。」

「そ…それは…今は…お待ちください…。」

「そうですの?残念ですわ。いつかお呼びくださいね。」にこっと微笑むカノンに再び頬を赤らめて恥ずかしさで下を向く峰岸君。

(一ノ瀬さんの下の名前を呼ぶなんて僕にはまだ早すぎる。僕の名前呼んでくれるのはうれしいけど…。いつか声に出して美桜ちゃんって呼べたらいいな。にしても一ノ瀬さん、可愛いだけじゃなくて、かっこいいんだなぁ。……って何を考えているんだ僕は!)なぜ下の名前で呼んで欲しいと思ったのかこの時はまだ自覚がない峰岸君。彼が自分の気持ちを自覚するのはまだ先の話。

一人で百面相をしている峰岸君を見てカノンは(面白い人ですわね)と微笑みながら二人は学校へと向かっていく。


クラスに着き、先に登校していた原さんにも容姿を指摘された。理由を言うと

「何そのかっこいい理由!可愛さだけじゃなくてかっこよさと勇ましさを身に着けたの?(ほんと、美桜ちゃん変わったなぁ…)もう彼氏に欲しいんだけど!いや、嫁でもいいよ!かっこいいと可愛いを持ってるのはずるいよ」と冗談だとは思うが本気にもとらえられるような気迫がある言い方をされた。


「そうですわ。わたくし隣の教室に用がありましたの。チャイムが鳴る前に行ってまいりますね。」そう二人に伝え、男子生徒たちのクラスに向かうカノン。

その様子を心配そうに二人はついていき見守る。


カノンは隣のクラスの中に男子生徒達がいるのを見つけ、近づいて声をかける。

「ごきげんよう。昨日の事でわたくしを覚えているかしら?貴方がたからこれ以上やっかみを受けるのはごめんこうむりたいのです。ですから、宣戦布告ですわ。わたくしは逃げも隠れも致しません。わたくしのお友達にこれ以上近づくならば容赦致しません。用があるならわたくし一人だけにしてくださいまし。いくらでも、相手を致しますわ」伝え終えにこっと微笑むカノンの目は笑っていない。

「「は、はぃ…」」カノンの迫力や昨日のカノンの怒りを見た二人は少しだけ身震いした。

「皆様、朝からお騒がせして申し訳ありません。わたくしはこれで失礼しますね。お邪魔しました。」クラス中が静まり固まる中、カノンは皆にお辞儀をしながら謝罪をして心配で見守っていた原さんと峰岸君と自分のクラスに戻っていった。


その後隣のクラスでは「すげぇ…あんな子うちの学年にいたか?」「あの美少女にあんなこと言われるなんて何したんだよお前ら~」「美少女なだけにすげぇ引き立つな、怖ぇ…」「男子何やらかしたんだろぅ」「姿勢よくて凛としてまるで騎士姫様みたい。かっこいい…」「あの子、あの問題児二人にあんな堂々としてかっこよかったね。」など揉めた男子生徒達に同情の声がかかったり、憶測やカノンを称賛する声がささやかれたりしていた。

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