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「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」  作者: 桜庵
第一章~最初の入れ替わり生活・カノン編~
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~カノンの対策~

お昼休憩に男子生徒達と揉めた日の放課後。

カノンは事前に職員室で手続きを済ませてある場所に向かっていた。


「……ここですわね。」学校の案内図を頼りに目的の場所にたどり着く。武道場だ。

もともと中の声が漏れ聞こえていたが、ドアを開けると一層大きくなる声。声の主達は空手部だ。この学校の空手部は三年生が四人。二年生が一人。一年生が三人という。小さな部活だ。カノンが入れば二年生は二人になる。

カノンはこの世界の事を勉強している際にいろんな種類のスポーツがあるのを知った。その中でも技や型がかっこいいと空手に興味を持ち、今回の対策になるのではと空手を習う事にした。

手の空いてる空手部の部員に声を掛け主将のところまで案内してもらった。

未経験という事を伝えたカノンはまずは体操着に着替えてくるように言われ更衣室に案内された。

準備が整ったカノンは主将のところまで戻ると、1年生達と行動するように言われ準備運動や基本的な型まで習う。時間が経つのも早くその日の部活が終わった。


家に帰り夕ご飯まで時間が空いたカノンはお風呂を済ませたり空手をするにあたって必要なことを調べまとめあげた。

「やるからには妥協は許されないわ。まずは体力づくりね。食事も少し調べてみようかしら。………。こうして調べると前の世界では考えた事もないようなことまで知ることができるの面白いわ。あとは帯の色や意味も調べないとだわ。………。

無級は白色・12級は白色に黄線・11級は黄色・10級は黄色に赤線・9級はオレンジ・8級は青・7と6級は緑・5と4級は紫・3と2と1級は茶・初段に入ると黒帯になるのね。それに団体によって黒以上に赤帯があったりするのね。帯の色にこんなにも意味があって、それに流派によって少し異なるなんて奥が深いわ…。わたくしは白からね。部の皆さんは青帯や黒帯をしていたわね。えーっと…。それから昇級するためにはそれぞれの級に課題があってその課題が審査で通れば昇級して帯の色が変わるのね。頑張れば3年で初段も夢じゃないともあるわ!これは…やはり目指すなら初段ね。あ!そうだわ!たしかお家の近くに……。」

ある程度まとまりがつき夕食の時間が来たのでリビングに向かう。


「お母様、わたくし部活を始めることにしましたの。事後報告で申し話ありません。ですので、これからは帰りが遅くなるかもしれません。それと、近所にお教室があったかと思いますが、そちらにも可能な限り通いたいと思います。いけないでしょうか。」家族の時間が合ったようで皆が揃い食卓を囲んでいるとカノンが母に話をきりだす。

「部活や教室に通うのはいいけど……。この近所に美桜が通えるような教室はあったかしら。」部活や教室に通うのは承諾してくれるようだ。

「いまさら習い事かよ。つーか、この近所に習い事の教室なんかないだろ。部活と習い事2つするとか何する気だよ。」ぶっきらぼうな言い方だが珍しく妹の会話に入ってきた兄。カノンは兄の問いに答える。

「部活も習い事も空手ですわ、お兄様。この近所に年齢問わずの空手教室があったと思うので、部活がない日は教室に通いたいのです。」何度目だろう、カノンの言葉に固まる家族。

「空手って……。急にどうしたんだ美桜。」父が目を丸くしながらカノンに聞く。

「少し学校でいろいろありまして……。」説明するには時間がかかると思ったカノンは言葉を濁した。

「お嬢様口調の次は空手かよ。お嬢様の欠片もないな。気品はどうしたんだよ。つーか空手なんてお前にできんのかよ」ちょっとだけ嫌味っぽく言う兄。前よりはマシだ。

「低俗な愚民に向ける気品なんて持ち合わせておりませんわ。それに出来るかどうかではなくて、やるのです。何者にも負けません。お兄様も、気を付けたほうがよろしいですわよ?あまり妹をいじめていると裏拳が発動してしまうかもしれませんわ。」ふふっと笑い、冗談を交えて会話をする。兄は「お、おぅ(正拳じゃなく裏拳なのか…)」とたじたじの反応だ。父と母は家族の会話とはこんなだったのかと懐かしみ、長年兄ばかりをみて美桜と向き合っていなかったのだと各々少し後悔を感じ始める。

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