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「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」  作者: 桜庵
最終章~最後の入れ替わり 最後の異世界生活・美桜編~
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~カノンさんは…~

美桜達がカノンの父、オリヴァーの書斎で方針の話し合いをしていると、いつの間にか昼食時になった為、執事のカクタスが皆を呼びに書斎に訪れたので、皆は食堂へ向かった。


皆が食堂に入り、それぞれ席に着きすでに並んでいる料理を前に談笑しながら銀食器を動かしていた。

そんな中ふと疑問に感じた事をサントリナが美桜に問いかけた。


「そう言えば、美桜ちゃん、テーブルマナーすごく上手で綺麗よね。あちらの世界で上手な先生に習ったのかしら?」

「い、いえ、向こうでは独学です。貴族の生活に憧れてテーブルマナーとダンス、その他の作法を一通りしました。あとはここに来てからは復習で、個別指導をお願いして身に着けました。でも…それだけではないんです。」


「そう…ものすごく努力したのね…。貴族の教養は身に着くまですごく時間がかかるもの。それをすぐに身に着けて実践するなんて並大抵の事ではないわ。でも…それだけではない…って?」

「カノンさんのおかげです。……カノンさんの体で生活してて実感するんです。テーブルマナーも、ダンスも、ご令嬢としての基本動作すべて…自分でもびっくりするくらいに滑らかにできるんです。これって、カノンさんがものすごく努力した結果だと思うのです。」


「ふふっ…たしかに…小さい頃からあの子はすごく負けず嫌いで努力家だったわ。何でも器用にこなすように見えて、実は見てない所ですごく努力していたわ。誰にも見せたくなかったみたいだから、私も何も言わなかったけど。お父様やお兄様はそういうところ、鈍感で…カノンを天才だと信じて疑わなかった。それは正直…姉としては寂しかったわね…。少しくらい…相談…欲しかったもの…。あ!今は寂しくないわよ!この間まで一緒に書類整理していたし、相談もしてくれたもの。きっとあの子も変わるきっかけがあったのね。」


「…カノンさんは…やっぱりすごいです。努力とかもそうですが…私の国で武術を始めたり…私は運動苦手だったのに、カノンさんのおかげで出来るようになったんです。それにいつの間にか男女問わず告白されるようになったり…あれはさすがにびっくりしました。けど…一番びっくりしたのは家族の事ですね。私と家族…距離があったのにカノンさんが変えてくれたんです。カノンさんは……すごく行動力があります。」


美桜とサントリナの会話を見守っていたオリヴァーが会話に入ってきた。


「行動力がすごいのは美桜さんもじゃないか。この世界に来た頃、(おく)することなく自分の意志で何事にも挑戦していた。私はそれを見て…自分の考えを改めないと、と思ったよ。カノンが変わり者と言われるようになった頃、息子は独自留学していたし、娘はもう嫁いでいたからね…。誰もカノンの考えや行動を肯定する者がいなかった…。けど…美桜さんのアザレアの事で奮闘する姿を見て…カノンの奮闘する姿を見て…心を動かされた。カノンも美桜さんも行動力がすごいよ。二人とも見事だ。」


「そ…そうでしょうか…。あ、ありがとうございます。」


オリヴァーの言葉に恥ずかしくなった美桜は顔を赤くしながら照れた笑顔を浮かべた。


「そう言えば、美桜嬢、『男女問わず告白を受ける』って君の容姿も関係あったりするの?」

「私の容姿…は何と言えば良いのか…。ただ、友達には容姿が目立つって言われたり…お母さんには清楚系で可愛いと言われました。大げさだと思うのですが…。」


ライラックのふと思った疑問に美桜は自覚がないため、原さんや母に言われた事を思い出して伝えた。

美桜の言葉を聞いたライラックとフロックスの驚いた言葉が重なった。


「「容姿が目立つって何?!」」

「美桜ちゃん…もしかして…容姿も申し分ないの?!お兄ちゃん寂しい!いや、むしろ見てみたい!!天使姿の美桜ちゃん!!こう…どうにか見る方法は!!!」


フロックスの必死な様子に美桜は笑顔で、食事の後に自画像を見せる事を伝えた。

フロックスはそれがよほど楽しみなのか嬉々とした様子で銀食器を動かす手が今までよりも早くなった。


美桜が思い出したようにふと思ったことをライラックに問いかけてみた。


「そういえば…殿下はどうしてフローライト家にいるのですか?王宮でのお仕事などあるのでは…。」


「君の手助けするようにカノン嬢に頼まれているからね。いろいろ手続きをしたうえでフローライト家に滞在しているんだよ。まぁ、フローライト家は気が気じゃないだろうけどね。あはは!」

「…ご自分でそれを言ってしまうのですね…。手助け…ありがとうございます。お心強いです。」


ライラックの楽しそうに話す様子に美桜はそれでいいのかなと苦笑いを浮かべ、フローライト家一行は呆れた表情を浮かべた。


美桜達の談笑は食事が終わっても終わる気配がなく、執事のカクタスが仕事の手順を伝えにくるまで続いた。

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