量子力学的跳躍と論理的飛躍
私とあなた
住んでる場所が離れているから
会いたくてもすぐには会えないでしょ
だから、あなたのとこまで
跳躍出来たらいいのにって
考えてみたんだ
ネットを繋ぐ光通信は、
ファイバーケーブルに光の粒子を飛ばして
通信先で再構成するよね
だから私も同じように
原子に分解、伝送されて
あなたの近くで再構成されないかなって
でもね、取り込んだ光を01に変えて
情報として再構成するネットと違って
飛ばした原子をまったくそのまま
(x,y,z)座標もまったくそのまま
同じ位置に再構成って
どんなふうにするんだろう
3Dプリンターみたいに
一粒一粒原子構造を変えて
打ち付けてるわけじゃないし
打ち付ける粒は原子よりは大きいから
きっと波にならないんだよね
原子程に小さくして飛ばそうとすると
まっすぐ飛ばずに波になるって
量子力学の二重スリット実験で
干渉縞が出来ることから
事象が確認されてるんだって
元の場所に戻せないなら
私は私じゃなくなっちゃうよね
記憶も思考する電気信号も
みんなどこかおかしくなったら
それは本当に私かな
原子の種類が違ったら
重さも違ってきちゃうから
一つ一つを飛ばすたびに
距離と重さと速度に対して
細かな計算が必要そうで
計算しながら粒子を飛ばすって
昔のカラープリンターみたいに
一枚印刷するだけで
とっても時間がかかりそう
横並びに飛ばしたら
互いの干渉でまっすぐ飛ばないかも、だから
飛ばすんだったら原子一粒ずつだよね
それって途方もない時間になりそうな気もするよ
私が私を認識できない間なんだから
私からすれば一瞬だけど
待ってるあなたは
その間ずっと待ってるんだもんね
それならいっそ
少し時間がかかっても
古典物理学を駆使して
飛行機に乗って電車に乗って
あなたに会いに行ったほうが
確実にそばに行けるよね
それからきっと
時間をゼロにするよりも
物理的距離をゼロにするほうが
きっと簡単だと思うんだ
今ここにいるあなたを
ぎゅって抱きしめて
これからも
ずっと一緒にいられるようにする
これはずっと昔から
出来ることが立証されてる方法だもんねっ