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#5日目

#5日目


 結局主人は二度と目を開けることはなかった。

 主人のカバンの中には、結婚記念日に私に渡すつもりだったバングルと手紙がグシャグシャに入っており、事故の悲惨さを物語っていた。


「サプライズなんていいから帰ってきてよ……」


 主人の亡骸なきがらを前に、もう届くはずがないと分かっていても、涙と共に主人への想いが溢れて止まらない。

 一緒にいるのが当たり前になり、目の前にいる時にはその大切さに気付くことができない。

 人間とはなんて愚かなのだろうか。


 淡白な会話が日常的になり、自分だけがまだ一方的に主人のことを愛しているのではないかという不安な気持ちがあった。それを言い訳に自分の中にある主人への愛情に蓋をし、素直になれなかった。


 主人の愛情に気付けなかった。


 私は自分を呪った。

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