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超能力者として生きてて良いことなんて一つも無いし、超能力関係無いけど得意の家事能力を活かして生活力0の美少女魔王の世話をします  作者: 赤城つばめ
1章 魔王と超能力者

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第21話 いつまでもこの日常が続くと思ってた

 昼に起きて昼飯を食べると、直ぐ部屋に戻りゲームしたり漫画読んだり昼寝したりしてると夕食だとカイスがしつこく言ってくる。仕方なく夕食を食べ、ついでに風呂に入り、またゲームをしたり等してると、日を跨ぎ深夜アニメがやってる時間になり一通り見ると、また寝る。


 私は毎日こんな感じに過ごしている。金はいっぱいあるし、身の回りのことはカイスが全部やってくれる。


 片付ける気も無かった私の部屋もカイスが色々うるさくて、毎日掃除するたびに部屋が散らかっていると、

 ゲームで忙しいのに片付けさせられる。


 殺意を滲ませて、死体も残らないような攻撃をしようとすれば、命はやっぱり惜しいのか、どんな人だって私に従った。幼少期はパパに言いつけて処したが、今は私が、気に入らない人を自分が直接処すことが出来る。


 …………カイスを除いて。


 あいつだけは、どんなにむかついても、殺せなかった…………。


 初めて私を一人の魔族として扱ってくれた、私に叱った人も初めてだった。


 私は生まれた時からずっと一人だった。魔族の王として魔族界で絶対的な権力を持つ私に、全ての魔族は、誰も何も言えなかった。でもそれは、揺るぐことのない自由を手に入れた代わりに、一生の孤独を約束されたのと同じだったことに、最近になってやっと気づいた。


 最初カイスがここに来た時、意外過ぎてどういう反応をしたのか自分でもよく分からなかった。

 でも、カイスが私と同い年であることを知って、もしかしたら彼と一緒に生活することで、一生孤独であることから脱出出来るかも知れない唯一の方法だとその時に思い、私はカイスを迎え入れた。


 ゲームや漫画アニメに夢中になっている時間は、孤独であることを忘れられ、やがて睡眠時間以外はほとんどゲーム等に没頭するような生活を送っていた。そんな生活もカイスと一緒に生活するようになってから、徐々に変わっていった。



 カイスは私の母になってくれた人間である。



 私がいつも通りにゲームに夢中になってると、後頭部に突然何かの角がぶつかったような激痛がした。物をぶつけられるならまだしも、角を当てられたのですごく痛い。

「何すんのよ!!!」

 カイスが部屋に入ったことに気づき物をぶつけたことに怒る。

「また部屋をこんなに散らかして…………俺が掃除するまでに片付けておけっていつも言ってるよな」

 ちょっと物が散乱しているだけで、いつも文句を言ってくる。別にここで過ごすには何の問題も無いから良いじゃない。


「それぐらいあんたがやってよ………あ、捨てたら殺すからね」

 流石にゲームソフトや漫画を捨てようものなら、殺すのに躊躇は無い。

「そうさせてもらう」

 するとカイスが浮遊能力を使って、床に散乱していた物が浮かせて、私に向かって散乱していた物が飛んできた。

「いたっ!いたっ!痛い!痛い!…………カイス、どういうつもり?私にこんなことをして、ただでは済まないわよ!」

 浮遊した物体は次々に私にぶつかり、元のしまっていた場所に戻して行った。


「自分から進んで片付けをするようになるには、散らかした物達が襲って痛みを与えれる方が嫌でもやるようになるかなと」

「私に部屋を無理矢理片付けさせるのも、私を一人前の魔王にさせるためにやっていることだったら無駄よ!…………魔王になる気なんて全く無いから」


「先代魔王から全財産貰っているのに、魔王としての公務は引き継がないというのも、おかしい話だと思うけど?」

「パパが私にくれるって遺言に書いてあるんだからいいでしょ!そこには魔王になるならないまでは書いてないし」


「それと、ベッドの上でお菓子を食うなって…………ベッドの上に菓子をこぼしてるし、菓子の袋はそのままだし…………」

 今日もまた変わらず、カイスが口うるさい。


 そんな私とカイスの日常が、いつまでも続くものだと当然のように思っていた。





 いつものように画面を向いてゲームをしていると。

「メリー、生きてるかー?…………生きてた」


「よくもまあ異性の部屋に何度も、ノックもせず入ってこれるわね…………」


 またいきなりカイスが私の部屋に入ってきたことに、少しばかり慣れたのだろうか、最近は振り向く気も無く呆れたような反応に変わった。


「何度もドアを叩いても、反応しなかったからじゃないか…………そんなことより、すぐに来て!」

 カイスは少し慌ててるようにも聞こえたが、そんなことは知ったことでは無い。

「何でよ!今ゲームで忙しいの!」

「メリーの従姉妹と名乗る人と魔王幹部4人が、大事な話があるって言って、ここに来たんだよ」

「そんなのほっと…………ええ!?」


 思わぬ訪問客に私は驚きつつ、少しばかり半信半疑であった。何故今になってあいつが私のところに来たのか全く分からなかった。

 私は何か大変なことが起きる予感をこの時少し感じたが、別に大したことでもないとも思っていた。


 私達が一階のリビングに降りてくると、魔王幹部の4人と一人の少女が座っていた。


「久しぶりね…………メロ」

 その少女は、私の従姉妹で名は『キャロ』という。

 私と同い年で、背はカイスと同じぐらいの高さ。私と同じで特有の角と尖った耳以外は、人間の少女となんら変わらない。ちなみに乳のサイズはA


「…………なんであんたがここにいるの、私忙しいんだけど」

『忙しい』と言った瞬間カイスが『どの口が言うんだ』みたいな目で見てくるが、それはさておきなんで私のところまで、わざわざ魔王幹部全員引き連れて来たのか、全く分からない。


「と………とりあえず、お茶をどうぞ」

「ありがとう、頂くわ」

 呑気に5人へ麦茶を出すカイスはさておき、話は始まった。まず、魔王幹部のリーダーであるマトマが事の内容を話しだす。


「我々魔族軍は、魔族の長である魔王の王位を、キャロ様に継承する事を決定しました」


「…………あっそ、勝手にすれば」

 魔王を継ぐ人をキャロにしたから、わざわざ先代の娘である私のところに報告に来ただけの様。


 こんな事なら、居留守でも使ってゲームしてれば良かった。


「そして魔王の継承者がキャロ様になったため、メロ様が現在所持している、親から引き継いだ財産を全部、新魔王のキャロ様の所有となります」


 ここで言う財産とは、私の今住んでいる家、私物…つまり私のゲームや漫画も全てのことを指してるようで、もし彼の言ってることが正しければ、私は全てを失うことになる。


 聞いた瞬間、直ぐには理解出来なかったが、少なくともあの女に、私が一生働かずに暮らすための財産が全部持ってかれると言う事らしい。


「…………え!?ちょ……ちょっと待って!なんで、あんた達がこんな事を勝手に決めてるわけ!?パパの遺言には、全財産を私にくれるって書いてあったわよ!」


 突然のことに動揺する私はさておき、マトマが一枚の紙を机に広げ、話を続ける。

 この紙はパパが亡くなる直前に書いた遺言状で、その中には確かに全財産私にくれるということが書いてある筈。


 遺言状の財産の相続についてはこのように書かれている。


(我が死亡時点で所有している不動産及び金銭などの財産は、娘のメロに全額相続する)


「このように文言が書かれているのですが、実は魔王典範にはこのように書かれていました」


 魔王典範とは、魔王一族に代々受け継がれるルールみたいなもので、魔王の即位や公務に関する取り決めが事細かに書かれている。その魔王典範の冊子を開き、相続に関することが書いてあるページを開いた。



 魔王典範 


 ・第二十三条第一項 現魔王死亡による財産の相続は、魔王を継承する者に限る


 ・第二十三条第四項 次期魔王継承者が確定するまでは、魔王第一候補となる親族に暫定的に相続される


 ・第二十三条第八項 現魔王が遺言状を残し、遺言状に上記の規約と相違がある文言が記載されていた場合、幹部会により承認が得られた場合にのみ、有効となる



「我々幹部一同としましては、次期魔王をキャロ様に決定した上………現在メロ様が先代魔王から相続した財産は、魔王典範の文言を優先し、遺言状の内容を承認しないという結論に至りました」


 つまり、私から一生遊んで過ごせるくらいの大金を奪われることが、魔族軍幹部連中公認の上であるということらしい。


「はぁ!?パパが私に全部くれるって言ってたのを、なんであんた達が勝手に奪おうとしてるわけ?魔王典範がどう書かれようと、パパの意思を否定することなんて許されると思っているの?」


 納得のいかない私は、パパの意思こそ優先されるべきではないかと反論する。


 まあ、パパの意思を尊重したいというより、一生働きたく無いからだけど…………


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