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二転して、今度こそ  作者: 冒険者
第一章;大きな教科書を捲る手:
5/8

第五話;彼の日常。

 女神は世界の全てを創った。


 女神は人々を導いた。


 女神は全ての生き物に等しく三つの奇跡を与えた。


 人々は女神の力に魅入られそれを真似まねようとした。


 人々は魔法を生み出し魔術を編み出した。


 人々が魔法を使い始めた頃から異様に強力な生き物が発見される様になった。


 女神が調査すると魔法にもちいてる力が原因だと分かった。


 女神は危険性をいてその力の使用を禁じた。


 けど生活に浸透していた魔法はそれからも使われ続けた。


 それから約一〇〇〇年が経過して。


 いつからか強力な生き物の多くは殺戮さつりくを好む様になっていた。


 新たに生まれてくるその殆どが意義無き死を振り撒く。


 理性無き強力な生き物はその在り方から[邪悪]と名付けられた。


 中には理性を持ち・・・・・・






 女神は一〇〇〇年間何してたんだよ。


 まあ良いか。知りたい事は知れた。


 神の真似をした人々と、理性のない強力な生き物。


 この世界の人間はゴミに手を出したんだろう。魂のゴミに。


 道理で知覚できなかったのか。まあゴミなんて知覚する気もなかったしな。


 て言うかこの世界こんなにゴミまみれだったのか。この分じゃ滅ぶのは時間の問題だな。


 でも、これでやっと行動できる。


 ゴミが一般的ならゴミを使えば問題ない。


 魂の力を使ったらぐに見つかるだろうけど、適量のゴミを使えば見つからない。


 ゴミを使ってより深くより多く女神の情報を得よう。


 無能っぽいけど、今の所警戒が必要な相手だからな。


「・・・・・・をうれいた女神様は四つよっつ目の奇跡を下賜かしされたのです。邪悪を知る奇跡・・・・・・殿下? 何方どちらへ行かれるのですか?」


 聞かれて。


「つまんない」


 返す。


「お待ち下さい。授業はまだ・・・・・・」


 でも、ゴミなんて使ったことないんだよな。ちゃんと使えるのかな?


▶︎▼◀︎


 授業初日の一九時。食堂で、食事を始めて直ぐ。


「ラァラ。授業を途中で放棄したそうだな。何故だ?」


 と父。


 いかつい外見と重たい声はただの質問を詰問きつもんに感じさせる。


「あら? そうなの? ラァラちゃん」


 と母。


 父の雰囲気に当てられないでおっとり微笑みマイペースに聞いてくる。


「アリアもべんきょう! れんせいしわ!」


 と姉。


 大きい鼻声で自分の都合を言い出したけど、父の雰囲気に当てられてない。


 兄は父に畏縮いしゅくしてる。


 兄は一三歳。姉が六歳で俺が五歳。


 年長なのに。か、年長だから。か。


 兄は父をおそれてる。


「つまんないから」


 今朝と同じ返しをしたら、父の眉間が少しりきんだ。


「アリアちゃん、お父さんもお母さんも頑張って錬成術師の先生を探してるわ。だからもうちょっとだけ待っててくれない?」


「ずっとじゃーん! なんでれんせいしいないの〜」


「錬成術師さんは皆んな秘密が多くってね。ちゃんとした人なのかをよ〜く調べないといけないのよ」


「でも〜」


「おねがい。良い子だからもうちょっとだけ我慢してちょうだい?」


「うぅ〜じゃあとどれくらい?」


「そうねぇ。あと数十ヶ月くらいかしら」


「すうずっかけつってすぐ?」


「う〜ん、あんまりすぐじゃないわねぇ」


「ヤぁ! おかしゃんすぐって言ったもん!」


「でも、我慢できるなら明日から毎日、朝にお菓子を三つ、お昼に三つあげるわ」


「おかしたべていいの!?」


「ええ、良いわよ。でもお昼は三つよ。六つじゃなくなるからね?」


「わかった! あさみっつとおひるみっつ! アリアがまんするよ! いいこ?」


「ええ、ちゃんと我慢できたら良い子よ」


 母は右手で姉の頭を撫でて左手の手拭きで垂れた鼻水を拭う。


 いつも思うけど姉の教育は失敗しそうだな。


 兄は父が集中して教育してるらしくて、まあ上手くいってると思う。


「・・・・・・・・・・・・ラァラ。詰まらなくても勉強はしなさい。でないと立派な大人になれないぞ」


 ん? ああ、母と姉の話が終わるのを待ってたのか。その話終わってると思ってた。


「別になりたくないもん」


「年は取りたくないわよねぇ。私も子供に戻ってラァラちゃんとアリアちゃんと遊びたいわ」


「おかしゃん! あとでアリアと遊ぼ!」


 父は少し嫌そうな顔をして。


「・・・・・・何もできない者に食わせる食事は何処にもないぞ? できることを一つでも増やして、上達させることでかてを得る。皆そうして生きているんだ。お前も勉学に励み、少しでも自身を高めなさい。もし今のまま大人になったらどうやって生きていくつもりだ?」


 俺は憂いを演じて。


「・・・・・・そう、だね。恋をして子供を作って生きて行こうかな」


「私とお父さんも恋愛結婚だったのよ」


 父が睨みつける様に、信じられないという目をして。


「子供を育てる気はないのか? 育児まで放棄するつもりか?」


「いや、育てるよ」


「どうやって育てるんだ? 食事は? 住む場所は? 服や教育だって用意できないだろう?」


「まあ、錬成術師は用意できないかもね」


 大きく息を吸い、深いため息を吐いた父は。


「・・・・・・勝手にしろ。勉学でも武術でも魔術でも何でも良い。何かやりたくなったら言いなさい。いつでも用意する」


 俺の教育も失敗しそうだな。

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