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間話 ロセッティの回想1


私はロセッティ・リーメイル。

リーメイル王国の王女です。

ベッドの上で痛むお尻を我慢してうつ伏せで寝転んでいます…

先程のシンヤ様は容赦ありませんでした。

まあ私が悪いのですが…

シンヤ様を召喚してまだ三日目なのに、もっと時が経っている様な感じがします。

退屈しのぎに私は召喚儀式をする事になった出来事を思い出し暇を潰そうかと思います。





先日いきなり隣国の、この大陸でも三大大国の一つリーガントレット王国から宣戦布告をされました。

三度使者を送ったが返事がないので攻め滅ぼすとの事。

父王以下が慌てました。そんな使者は一度も来ていなかったからです。

すぐに王都全域に使者を探索、同時にこちらからもリーガントレットに使者を送りましたが、王都に使者到着や滞在の気配もなく、送った使者への返事はなく使者も帰ってきません。

途方に暮れて第三国経由での話し合いの仲介を進めている時に国境砦から早馬の伝令が届きました。

リーガントレットの国境砦周辺に一万を超える軍隊が集まっていると。

父や大臣達は騎士団長や私の師でもある宮廷術師長のユーイング様と色々と対策を練っています。

国境砦に援軍を送り、お兄様とお母様を東の国境方面の視察名目で王都から出しました。

私も一緒にと行けと言われましたが拒否しました。

民を見捨てるぐらいなら私も命を懸けると。

それに…数年前リーガントレット王城で会ったエルリッヒ王陛下は、理知的でユーモアもあり理由も無しに他国を攻める様なお方には見えませんでした。きっと何かがあるのだと思います。


色々な情報に被せる様に、城下の宿に大陸中を旅して召喚術を集め研究している魔術師が滞在しているのを発見したとの報告が入りました。

父や大臣達は召喚術で勇者様を招いて助けて貰おうとするみたいです。

私もお話に聞く勇者王様の様な方にお会いしてみたいです。




色々あって召喚術の行使は私とユーイング様の二人で行う事に。

メインは私。ユーイング様は全体補助で。

非常用の転移陣を儀式召喚陣に作り替え、長い召喚術の呪文を唱えていた時でした。声が聞こえて来たのは。


『召喚に魔力が足らない時は貴方の寿命が削られる事になる。貴方の命を以ても召喚が出来ない場合もある。それでも召喚儀式を続けますか?』


私に躊躇いはありません。


『はい!私の命で多数の命が助かるなら喜んで差し上げます!』


声の主は微笑みを浮かべていそうな雰囲気で言ってきました。


『宜しい。ではそのまま続けて下さい。貴方の願いは聞き届けられるでしょう。』


その声が遠くに消えて行き私に温かい魔力の様な力が流れ込んで来ました。

(かなり後、この力が無ければ私はその場で人生が終わっていたと聞きました。)

流れ込んできた力をそのまま召喚陣に注ぎ込み呪文を唱え終える。

すると召喚陣から青白い光が溢れ出し、光が収まった後には一人の少年が佇んでいました。


黒髪黒目の少年で私と同じぐらいの年齢でしょうか?

伝説に聞く勇者王様の姿に似ています。

しかし何故か疲れた顔をしていました。

私はどう声を掛けようか迷っていると少年がため息を吐き疲れた声で話しかけてきました。


「俺の名前は八橋信哉。状況説明を頼む。」


「私はリーメイル王国の…」


私が名乗りを済ませる前に被せて威圧を纏った冷たい声で防がれました。


「自己紹介とかの説明はいらない。どういう状況での呼び出しかを説明しろ。」


私が威圧に竦んで絶句していると護衛の近衛騎士隊長ザトペック卿が声を荒げ怒鳴った。


「貴様!姫様に向かって、ぐわっ…」


…が、ザトペック卿は最後まで言い切れず攻撃魔術で足を折られました。

無詠唱でこの召喚陣の中から…

普通は召喚陣の中から魔術で攻撃するなんてことはできない。

魔獣などを召喚して契約や隷属させてから召喚陣から出すのが一般的。

敵意を持つ魔物などを召喚した場合に備えて召喚陣には対魔結界が普通に埋め込まれている。

それにこの召喚陣、私とユーイング様の過剰とも呼べる程の積層型結界を展開していました。

その結界を破壊せずに唯々素通りさせて魔術を放つなどあり得ない事です!

私は魔王か魔神か邪神を召喚してしまったのでしょうか?


その少年は淡々と何かを言い、ザトペック卿の折れた足を呆気なく治療して言いました。


「明るい小部屋に案内しろ。こんな黴臭い部屋に何時までもいたくない。」


そう言うとあっさり召喚陣から出て騎士に扉を開けさせて歩き出しました。

私はユーイング様の後ろに隠れる様に着いて行きます。


中庭に面した通路を通っていたら少年が言いました。


「あそこの木陰でも良いか?」


聞いていながら少年は、さっさと中庭の東屋に行き腰を据えました。



@@@@@



この時の事は余り思い出したくはありません。

王族の一人としおバカな質問をした事を思い出す度に穴があったら入りたい気持ちになります…

ユーイング様が庇ってくれなければ私は逃げ出していたかも知れません。

まぁ、この時の事より先程の事を考えたら遥かにマシな出来事でしたが…


遠い目をして意識が飛びそうなトコロで侍女がお昼ご飯を持ってきました。

この続きはまた後にしたいと思います。










ロセッティの回想、止めたいぃぃぃ(´Д⊂ヽ

ここまで書きにくいとは思わなかった(´・ω・`)

このキャラタイプの1人称はおらには無理と理解出来ただけでも良しとするか。

一応三話を予定していますが、次は本編を出します。

私の次の投降作予定は水中花表裏を月末までに。



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