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第十六話


11月6日12時30分に加筆しました。





リーガントレット城の謁見の間に転移する。


「王。軍内の魔族は一掃した。遠征軍の撤退も開始している。詳しい内容はギアド大臣に聞いてくれ。

あと、この遠征に賛成して話を進めた全ての者達の処分もしろ。上級貴族でもな。

抵抗するなら俺が直々に処分する。」


ここで俺は謁見の間を見まわして言葉を継ぐ。


「一族諸共、首を晒したい者は好きに抵抗や国に対して革命でも反乱でも起こすが良い。

だがその場合は楽に死ねると思うなよ?

ディーブレイカーの人間国家を亡ぼし大陸を統一した魔王B・エイトとして相手をしてやる。

コンホルムのこの状態を見ても刃向かう愚か者はいないことを望む。

次来るのはこの国で魔王が召喚されるか三日後ぐらいだ。ギアド大臣、それまでに片を付けておけ。

ではエルリッヒ王、俺は帰る。次はロセッティかウキラグ王でも連れて来てのんびりしたいな。」


「お待ちしています。」


俺はエルリッヒ王に一つ頷きリーガントレット国境砦前に転移した。

整然と遠征軍の撤退作業が続いている。

こっちは放置で良いな。


「レガ、人の姿に化けて俺に付き従え。それと魔王呼びはするなよ。シンヤと呼べ。

じゃあ転移移動する。」


「はっ。」


レガを連れリーメイルの国境砦に転移する。



@@@@@@@



リーメイルの砦内に転移して来ると死亡した騎士や兵を並べて簡易の弔いをしていた。

うん?数が少ない?俺に気付いたロセッティが駆け寄って来たので聞いてみる。


「ロセッティ、死者の数が少ないように思うが、もう埋葬でもしたのか?」


「いえ、ここに居る者で全てです。シンヤ様の範囲回復で多数の者が助かりました。」


「ふむ。あれで生き延びたか。さすが国境砦に来ているだけあるな。」


「いいえ!シンヤ様の回復術が凄いのです!

私や砦の救護兵では助けられませんでした。」


「…ロセッティは魔術師であって回復術は得意で無いだろ?

救護兵も上級回復術師は居ないのだから比べるのは違うだろ…」


俺の言葉にロセッティはシュンとなった。


「話は変わるが、俺の見通しの甘さでこの者達は命を落とした。それについての詫びではないが、この者達の遺族にリーガントレットの軍務大臣から金が支払われる。リーガントレットとの戦争も終わりだ。

砦指揮隊長、リーガントレットから使者が来るのでそれなりの対応を。…あっ!」


その言葉を聞き、渋い顔をした砦指揮隊長を見て思い出した。


「今撤去してくる。」


俺はそう言葉を発してリーガントレット側の城壁に飛びあがる。

リーガントレット方面の峠道を塞ぐ大壁(グレートウォール)に対して術を放つ。


原子崩壊(ディスインテグレート)


術を放つとそれを見届ける事なく城壁から飛び降りる。

城壁上で見張り番をしていた数名の兵士が息を呑み呆然としていたのが結果だろう。


俺は砦指揮隊長に言う。


「壁は撤去した。これで行き来できるだろう。

ロセッティ、俺はギルドに行くがどうする?城に帰るなら送るぞ?」


「はい。一緒に帰りますが、この者達も連れて帰れないでしょうか?」


十六名の亡骸を見て悲しそうに聞いて来るロセッティ。


「俺は構わないぞ。」


俺のあっさりした返答に表情が明るくなるロセッティ。


「弔う前に家族にも会わせられる…」


そう呟いてロセッティは微笑みを浮かべながら涙を流した。


「では収納する。」


俺はそう声を掛け亡骸を無限収納に取り込む。


いきなり十六体の亡骸が消え狼狽える兵達。


「皆さん、亡くなった兵達は城に連れて帰ります。シンヤ様が運んでくれますので心配しないで下さい。」


「この程度で狼狽えるな。俺のアイテムボックスは特別だ。

百や二百人程度の遺体を収納しても影響はない。」


俺の言葉を聞き絶句する兵達。

ロセッティも目を見開いて驚いている。

あれ?そんなに驚く事か?

俺はこの世界の平均アイテムボックス容量を記憶を調べ思い出す。

……あ~…これはあかんわ…

一般平均容量は畳一枚分の立方体ぐらいみたいだし。


「あ、あの…シンヤ様…」


「うん。言いたい事聞きたい事があればハッキリ言っていいぞ。」


恐る恐る俺に問いかけてきたロセッティに答える。


「え、ええと…シンヤ様なら百人ぐらいは入るアイテムボックスは持っていると思ってましたが、どれぐらいの大きさのアイテムボックスをお持ち何でしょうか?」


「どれぐらいといってもなぁ…俺自身限界は知らん。

だが別世界の戦争に巻き込まれた時、三万体以上の遺体を双方の国に持ち帰った事がある。」


「「「「「!?」」」」」


聞いていた全員、理解出来なかったのか考えて計算している様な顔をしていたが、

段々理解してくるとあんぐりと口を開け呆けた顔を見せた。


「そんな事より帰るぞ。ザトペック殿は?置いていくのか?」


「…はっ!ま、待って下さい。ザトペック卿は重傷者を集めている部屋にいます。そこで…」


「ちょっと待て!重傷者?先にそれを言え!すぐに案内しろ!全く…」


俺は怒鳴り、額に手を当て空を仰いだ。


「は、はい!すみません。こっちです。」


俺はロセッティに案内させ、重傷者を集めている部屋に行く。

部屋に着き中を見回すと十人程が床に寝かされて治療を受けている。

重傷者の鑑定を済ませると範囲回復術を掛ける。


範囲上級回復術(エリアハイヒール)


俺の回復術で苦痛で呻き声が響いていた部屋が一気に静かになり、次いで歓声に変わった。


「治った~」「痛みが無くなったぞ!」「助かったのか…?」


「全員聞け!」


俺は怒鳴り部屋が静かになると言った。


「全員の傷は治したが、血を多く流した者はまだ安静にして過ごせよ。

血を大量に流していない者は普通に過ごして良い。あとの詳しい話は治療術師に聞け。

ザトペック卿、帰るぞ。」


俺はそれだけを言うと部屋から出る。

慌ててロセッティがザトペックを呼び俺について来る。

砦指揮隊長の所に行き後は任せると言い、レガにはリーメイル亭の俺の部屋で待っていろと言い転移で飛ばし、ロセッティ達を連れて城に転移した。










次の予定は十一月月末にしときます。

ちょっと台風の影響を受けすぎて時間が取れないので(>_<)



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